SPAIA競馬
トップ>ニュース>【AJCC回顧】ショウヘイが再浮上のきっかけ掴む重賞2勝目 改めて感じた現4歳世代の「層の厚さ」

【AJCC回顧】ショウヘイが再浮上のきっかけ掴む重賞2勝目 改めて感じた現4歳世代の「層の厚さ」

2026/01/26 10:30
勝木淳
2026年AJCC、レース結果,ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

ショウヘイが勝利した意味

冬の中山開催最終日のAJCCはショウヘイが勝利し、重賞2勝目をあげた。2着ドゥラドーレス、3着エヒトで決着した。

ショウヘイ、ジョバンニの4歳トップ戦線とドゥラドーレスら重賞常連組という図式は5歳勢がディマイザキッド1頭だったことも手伝い、実際は伸び盛りの若手VS.ベテランといった構図になった。この形で4歳勢が負けるという絵は冷静に考えると描きにくかった。この世代の中距離戦線は昨年、天皇賞(秋)と有馬記念を勝った。

他方、マスカレードボールもミュージアムマイルもクロワデュノールも菊花賞に進まなかった一貫した中距離型であり、菊花賞へ進んだ馬たちの実力はエネルジコやエリキングがその後、休養に入っており、測りかねない部分でもあった。3着エキサイトバイオは有馬記念で8着に敗れており、同じ4歳でも菊花賞組の実力はどうなのかという考えは拭えなかった。

そういった観点でみると、ショウヘイが勝利した意味は大きい。元来、折り合いに難しい部分を抱えており、菊花賞は必ずしも適条件ではなかったので、大敗はノーカウントでもよかったが、ダービー3着馬がきっちりGⅡを制したことで、4歳世代の層の厚みを改めて感じることができた。

とはいえ課題もまだまだ残る。アウスヴァールが大逃げに持ち込み、エヒトが追いかけるというタテ長の展開は1000m通過58.7のハイペースではあったが、離れた好位に構えたショウヘイにとってはスローから平均に近い感覚だった。

行きたがるような素振りをみせており、川田将雅騎手が深追いさせず、折り合いを教えるように運んだ。我慢をできたにはできたが、前が過度に引っ張ってくれて、バラけたタテ長になってくれたことも助かった。馬群で我慢できるかどうかという課題は次走以降になりそうだ。


持続力に長けた血統構成

一方で、残り600mまで11秒台を続けた厳しい流れであり、後半600m12.4-12.0-12.5と時計を要した。ショウヘイにとって心肺機能の強さが試される流れになったのもプラスに働いたのではないか。

父サートゥルナーリアはシーザリオの血も継ぐが、キングカメハメハ、ロードカナロアの持続力も濃い。中山の上がりを要する展開はこの部分の強さを引き立てる。

おまけにショウヘイの母の父は持続力の怪物オルフェーヴル。母系のミュージカルウェイはミッキークイーンを出した一族であり、軽さがあまり問われない底力勝負に強い。ロングスパートへの強さは血統面からみても文句なし。この先、ショウヘイがどの路線に進むかわからないが、同じ2200mの宝塚記念に適性がありそうだ。


ドゥラドーレス、重賞4戦連続2着

2着ドゥラドーレスはこれで昨年5月のエプソムCから4戦連続重賞2着となった。なんとももどかしい。母ロカ、母の母ランズエッジなので、レガレイラ、アーバンシック、ステレンボッシュがいるもっとも勢いある一族だが、それでも最後の壁一枚がなかなか突き破れない。

この間、上がり最速2回、今回も上がり2位だった。毎回、ドゥラドーレスは力を出し切っているが、勝てない。後ろから差されたのはオールカマーのレガレイラだけで、今回も含め残り3回は前をとり逃して2着に敗れた。

序盤の立ち回りがもう少しスムーズなら勝てるポジションにつけられるだろう。そこを突破できるかどうか。もう重賞を勝てる力は十分ある。

3着は9歳馬エヒト。14番人気単勝267.9倍の低評価を覆す激走だった。3年前のAJCC2着馬だが、それを根拠に買うのは難しい。ちなみに当時の鞍上は騎手として引退目前の田中勝春調教師だった。

好走要因はアウスヴァールが演出するハイペースに上手く乗ったことだろう。追いかけず、下げていたらわからない。強気にハイペースに挑んでいったことが直線の粘りを引き出した。菅原明良騎手の好判断だったといっていい。

また今回は12キロ増の476キロであり、久々に馬体を増やせたのも大きく、体調も上向きだった。この好走で吹っ切れて、自らハイペースを演出しにいくようなら再度激走する場面もあるのではないか。


2026年AJCC、レース回顧,ⒸSPAIA


《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『サラブレッド大辞典』(カンゼン)に寄稿。

《関連記事》
【AJCC】結果/払戻
【AJCC予想印まとめ】ドゥラドーレス、ジョバンニを全員が高評価 血統からはマイネルエンペラーが浮上
【AJCC】AIの本命はドゥラドーレス 「前走GⅡで3着以内」は複勝率50%