【阪神大賞典】上がり3F上位が馬券圏内をほぼ独占 京大競馬研の本命はレッドバンデ

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天皇賞(春)の優先出走権をかけた前哨戦
3月22日(日)に阪神大賞典(GⅡ)が行われる。勝ち馬には天皇賞(春)の優先出走権が与えられる一戦だ。
今年は出走馬10頭と少頭数ながら、4歳屈指の実力馬レッドバンデ、昨年の目黒記念勝ち馬アドマイヤテラをはじめとする好メンバーが揃った。菊花賞などの長距離重賞で実績を残してきた馬が揃うなか、どの馬がここを制するのか丁寧に見抜いていきたい。
以下では、本レースが行われる阪神芝3000mのコース形態とそれに起因するレースの質、そして想定される展開を踏まえ予想する。
6回のコーナーに2回の急坂
まずは阪神芝3000mのコース形態をみる。2コーナー出口付近からスタートし、初角までの距離は約350m。内回りコースを使用しコーナーを6回通過する。約1周半回って、勾配1.8mの急坂が待つ356.5m(Aコース使用時)の直線を駆け抜ける。これが今回のコースレイアウトだ。
通常、初角までが長いコースは先手争いが長引きやすく、ペースが上がりやすい。ただ、このコースでは3000mという距離に対する騎手心理も相まって、序盤から先行馬が競ることは少ない。前半のペースは落ち着きやすい。
向正面まで淡々と流れた後、2周目の3コーナー過ぎから一気にペースアップ。前半のゆったりとした流れから打って変わり、激しいロングスパート戦になる。
好走するためには6回のコーナーをこなす器用さ、3000mという距離の中で2回の急坂を登りきるタフさなど多くの適性が求められる。そして何より、終盤のロングスパート戦で長く良い脚を使うこと、末脚の持続力が重要になっている。これがこのコースが持つレースの質だ。
過去10年で上がり3F1位の馬が9勝

<阪神大賞典 上がり3F4位以内馬の成績>
【10-8-8-14/40】
勝率25.0%、連対率45.0%、複勝率65.0%、
単勝回収率103%、複勝回収率213%
※過去10年
この傾向は数字にも表れている。阪神大賞典における上がり3F4位以内馬の成績は上記に示した通り優秀だ。
馬券に絡んだ30頭中26頭を該当馬が占めている。過去10年のうち、9年で上がり3F1位の馬が勝利し、例外の1頭も上がりは1位の馬と0.1秒差の3位だった。
脚質を問わず、メンバー最上位の上がりを使うことが本レースでは重要だ。逆に、地力が低く速い上がりを使えない先行馬の前残りはほとんどない。
まずは各馬の地力とロングスパート戦における末脚の持続力を重視する。位置取りによるアドバンテージについても次の展開予想で考えていく。
4角で前をとれるかマクれるかが鍵
続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走通過順位に3番手以内のある先行馬が3頭と、出走馬全10頭に対して比較的少ない。その3頭も徹底先行タイプではなく、近2走で逃げた経験があるのはファミリータイムだけだ。
前述したコースの特徴と相まって前半はゆったりとしたペースで流れるだろう。2周目3コーナー過ぎからのロングスパート戦という例年の展開をなぞることが確実だ。
この展開で重要になるのは位置取りだ。直近10年の勝ち馬は全て4角5番手以内から勝利している。上がりだけで大きな差がつくケースもあるが、差がつかない場合は当然ながら位置取りが結果につながる。
速い上がりを持つことは前提条件とした上で、前目の位置からスムーズに追い出せる馬、もしくは高い機動力で早めにマクっていける馬が展開面では最も恵まれる。各馬のテンの速さを比較し、道中の位置取り、機動力にも注目して印を打つ。
追走力と堅実な末脚に期待
◎レッドバンデ
前走の箱根特別は好スタートからスローペースを好位で追走。スムーズな追い出しから上がり最速の脚を使い快勝した。
ラスト5F11.7-11.7-11.4-11.4-11.2の加速ラップを、長く良い脚を使って差し切った。着差以上に評価でき、次走以降の上積みに期待できる内容だった。今回想定される展開でもこの持続力は生きる。
3走前の菊花賞は不利な大外枠から徐々に出していき6、7番手の外目で追走。道中もキレイに折り合えており、終盤の伸びを見ても適性を感じる走りだった。直線を向いて進路を切り替えるロスはあったものの、2~4着とほぼ差のない競馬ができており、着順通りに評価できる。
菊花賞出走馬の次走以降の内容を見てもこの世代の実力は確かだ。今回のメンバーで最上位の地力を持ち、距離適性も高い。
本馬の強みは安定した追走力と堅実な末脚。スタートを決めて好位~中団前目を追走し、スムーズに追い出して前走同様の末脚を発揮できれば勝ち負け必至とみる。
◯ダノンシーマ
前走の白富士Sはややハイペースを5番手から上がり最速で勝利。ラスト4F11.7-11.3-11.3-11.1の加速ラップを差し切っており、着差以上に評価できる内容だった。
急坂2回の阪神芝2400mを難なくこなして条件戦を突破してきたようにコース適性は高い。テンの速さはメンバー上位で好位から運べる。前走の内容から地力は十分で、前の位置から持ち前の末脚を発揮できれば勝ち負け可能だ。
▲アドマイヤテラ
前走の有馬記念はレコード決着となったジャパンC後で外枠、なおかつ差し有利な展開を考えれば度外視可能。メンバーレベルも国内最上位の厳しい競馬だった。
昨年の天皇賞(春)1~3着馬を出した24年菊花賞で3着の実績を持つ馬。昨年は一度も3000m以上を使うことがなかったが、本馬の強さが生きるのはやはり長距離だ。
菊花賞で鞍上だった武豊騎手への乗り替わりも心強く、機動力も申し分ない。この距離で復活し、昨年は出走できなかった天皇賞(春)へ駒を進めて欲しいという期待も込めて3番手。
△マイネルエンペラー
前走のAJCCは思ったよりも出脚がつかず最後方からの競馬。珍しく後手に回って得意とは言えない展開だった。評価を下げる内容ではない。昨年の日経賞で菊花賞馬アーバンシックを負かしたのち天皇賞(春)5着に好走しており、長距離実績は確か。近走の敗戦で高いオッズ妙味が見込まれる。
買い目は◎単勝1点、◎-◯▲△馬連3点、◎-◯▲△3連複3点で勝負する。
▽阪神大賞典予想▽
◎レッドバンデ
◯ダノンシーマ
▲アドマイヤテラ
△マイネルエンペラー
ライタープロフィール
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。
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