SPAIA競馬
トップ>ニュース>【天皇賞(春)】三強対決を制したマヤノトップガンの豪脚 1997年の衝撃レコードVをプレイバック

【天皇賞(春)】三強対決を制したマヤノトップガンの豪脚 1997年の衝撃レコードVをプレイバック

2026/04/27 17:00
緒方きしん
プレイバック1997年天皇賞(春)

直近2年の年度代表馬が激突

今週は天皇賞(春)が開催される。過去にはイナリワンやライスシャワーが制したレース。ここでは1997年の一戦をピックアップして当時を振り返っていく。

1997年の天皇賞(春)は、完全なる三強対決の構図であった。1番人気は前年の年度代表馬サクラローレル。前年は天皇賞(春)と有馬記念勝ちを含む5戦4勝、3着1回と大活躍だった。1997年はここが始動戦であったが、前年覇者だけあって多くの支持を集めた。

2番人気は、2年前に菊花賞、有馬記念を連勝し、年度代表馬に輝いたマヤノトップガン。前年も宝塚記念を制するなど活躍したが、天皇賞(春)ではサクラローレルやナリタブライアンに及ばず5着に終わっていた。その分、人気はサクラローレルに譲ったが、始動戦となった阪神大賞典では2着に3馬身半差をつける圧勝と、勢いが感じられた。

3番人気は前年に才能が開花したマーベラスサンデー。条件戦から6連勝で重賞4勝を挙げると、秋には天皇賞(秋)4着、有馬記念2着とGⅠでもその力を見せつけた。始動戦の大阪杯ではロイヤルタッチ、イシノサンデーら強敵を相手に快勝。こちらも勢いを感じる臨戦過程で、新王座に手が届く存在だった。

上位人気馬の単勝オッズは、サクラローレルが2.1倍、マヤノトップガンが3.7倍、マーベラスサンデーが4.1倍と拮抗。続く4番人気ロイヤルタッチが11.4倍、5番人気ビッグシンボルが22.6倍と続き、ほかにもステージチャンプやローゼンカバリー、メジロランバダといった実績馬が顔を揃えていた。

折り合いに専念したマヤノトップガン

殿人気のインターライナーが大きく出遅れるも、他は揃ったスタートを切る。すぐに先頭に立ったのは、ビッグシンボル。ダイヤモンドS、阪神大賞典と連続2着のスタミナ自慢が、鞍上・南井騎手に促されながらスピードに乗る。

サクラローレルは前に7、8頭を置いて悠然と追走。その外をピッタリとマーベラスサンデーがつける。マヤノトップガンはいつもの好位とは異なり後ろからの競馬──と思いきや、内からかかりながらポジションをあげてしまう。それを見送ってから、マーベラスサンデーと武豊騎手はポジションを下げる。

一周目の直線。スタンドの大観衆から声援が送られる。ポジションの入れ替わりが激しい競馬。馬群は大きなひと塊となって進んでいく。サクラローレルとマヤノトップガンは中団で並走、それを追う形でマーベラスサンデー。先頭は依然、ビッグシンボルだが、後続各馬も余裕はたっぷりあった。

向正面に入ると、マヤノトップガンのポジションがやや下がる。その一方で、サクラローレルと横山典弘騎手が大外からポジションを押し上げていった。観衆がざわめく。なんと中団から一気に2番手まで位置を上げて3コーナーに突入したのだ。そしてもう1頭、呼応するかのようにマーベラスサンデーも一気にポジションを上げる。

すると、数テンポ遅れて後続馬も追いかける。内で折り合いに専念していたマヤノトップガンだけが、我関せずとばかりに他馬を見送った。

4コーナー手前でようやくマヤノトップガンの鞍上・田原成貴騎手がスッと外に持ち出す。下り坂を使って前の馬たちを徐々に交わしていく。しかし、サクラローレルとマーベラスサンデーは既に先頭集団を軽快に進んでいる。──ここから届くのか。

直線に入るとマーベラスサンデーが僅かに先頭へ。しかし、並走するサクラローレルも凄まじい勝負根性で差し返す。抜き返されては差し返す、両者一歩も譲らぬ攻防が続く。その外からは大外を回したマヤノトップガンが猛然と追い込み、2頭に迫ってくる。

ゴールまであと僅か。サクラローレルがじわりと抜け出すも、その外からマヤノトップガンが並びかける。サクラローレルに抵抗するだけの力は残ってなく、最後はマヤノトップガンがそのまま抜き去り、先頭でゴールイン。前年の悔しさを晴らす、1.1/4馬身差での勝利だった。

2着にはサクラローレル、3着にはマーベラスサンデー。勝ちタイムは、ライスシャワーが1993年に叩き出した3:17.1のレコードを大幅に塗り替える3:14.4という猛時計での決着である。

見事な三強決着、そしてマヤノトップガンの追い込み劇に、スタンドからはあふれんばかりの田原コールが送られた。馬連は440円という堅い配当。もし当時に三連複が導入されていれば、かなりの低配当に収まったはずだ。

1997年の三強と重なるクロワデュノール、アドマイヤテラ、ヘデントール

引退後、マヤノトップガンはプリサイスマシーン、メイショウトウコン、チャクラ、キングトップガンなど、芝馬だけでなくダートの活躍馬も輩出。母父としてもワンダーリーデルやブラゾンドゥリスを送り出した。

サクラローレルはアルゼンチン共和国杯、日経新春杯などを制したサクラセンチュリーを出したほか、母父としてJpnⅠ勝ち馬のケイティブレイブを輩出。ケイティブレイブは新種牡馬として、今年の2歳世代から産駒がデビューを予定している。

マーベラスサンデーはネヴァブションやスマートギアをはじめ、芝の中長距離馬を多く輩出。産駒のシルクフェイマス、ホッコーブレーヴは天皇賞(春)に挑み、父と同じ3着に善戦している。また、母父としてはレッツゴードンキを送り出し、桜花賞のタイトルも手にした。

今年の天皇賞(春)は大阪杯を制したクロワデュノールを筆頭に、阪神大賞典勝ち馬アドマイヤテラ、前年覇者のヘデントールらが参戦。上位人気を形成する見込みだ。奇しくもこの3頭の臨戦過程は1997年の三強と重なる。果たして、あの年のような大激戦は再び繰り広げられるのか──。

《ライタープロフィール》
緒方きしん
札幌生まれ、札幌育ちの競馬ライター。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、メジロマックイーン、ダイワスカーレット、ドウデュース。

《関連記事》
【天皇賞(春)】過去10年のレースデータ
【天皇賞(春)】クロワデュノールが父に次ぐ偉業へ 複勝率77.8%の王道ローテで臨むアドマイヤテラも有力
芝は「距離短縮」「北海道」が単回100%超で絶好の狙い目 キタサンブラック産駒のプラス条件、マイナス条件