【NHKマイルC】アドマイヤクワッズら皐月賞組に不安データ 狙い目は「トライアル惜敗馬」

ⒸSPAIA
春の東京GⅠシリーズ開幕戦は人気薄激走もあり
この春、東京芝1600mで3つのGⅠレースが行われる。マイルのチャンピオンコースである東京芝1600mはマイラーとしての総合力が問われるため、3歳同士のNHKマイルCは思いもよらぬハイペースに陥ることがある。
経験が浅く、適性が見極められていない3歳馬の場合、スピード任せのレースで押し切る向きもあり、どうにも展開が読みにくい。東京マイルのGⅠを乗り切るには経験も必要で、適度に速いペースを刻みつつ、体力を温存する術が求められる。
経験と体力。このバランスをレース全体でとれないとき、ラストに大逆転が待ち受ける。その典型が、パンジャタワーが勝った昨年だった。勝ち馬はその後、スプリント路線を歩み、2着マジックサンズは1800mに矛先を変えた。
3歳ベストマイラー決定戦ながら、必ずしも将来マイラーとして活躍する馬が勝つとは限らない。これがNHKマイルCの難しさ。いずれにせよ未来の可能性を探るレースだ。
ここからは過去10年分のデータを使用し、今年のNHKマイルCを展望する。

人気別では1番人気【1-2-1-6】勝率10.0%、複勝率40.0%とイマイチも、2番人気は【4-2-0-4】勝率40.0%、複勝率60.0%と悪くない。一方で3番人気は【0-2-1-7】複勝率30.0%と不安定。ようは買う側の評価が当てにならない。
クラシック重視の風潮はマイル路線の戦力分析を曇らせる。こちら側の評価が定まらないまま迎えるのがNHKマイルCであり、これも波乱多きGⅠの要因でもある。
9番人気【3-0-1-6】勝率30.0%、複勝率40.0%、10番人気以下【0-2-4-83】複勝率6.7%など大穴激走の可能性も高く、馬券の難易度は春の東京GⅠシリーズ開幕戦にして最難関といえよう。

人気の傾向はつかみにくいが、枠番は顕著。一見、枠番の有利不利は少なそうなシンプルなコースだが、NHKマイルCは別。6枠【4-0-0-15】勝率、複勝率21.1%、8枠【4-1-2-23】勝率13.3%、複勝率23.3%と外枠に勝ち馬が集中している。5枠も【0-3-3-14】複勝率30.0%と悪くなく、真ん中より外がいい。
ちなみに1枠は【0-1-0-19】複勝率5.0%とさっぱり。フルゲートのマイル戦ともなると、馬群はそうそう縦長にならず、塊になって進む。密集したなかでのレース経験の差も出やすく、ことさら内枠は窮屈になり、力を発揮できない事態に陥りやすい。
連勝が難しいマイル路線
登録馬を眺めると、中距離に挑戦したGⅠ馬カヴァレリッツォ、アドマイヤクワッズに対し、マイル重賞勝ち馬アスクイキゴミ、レザベーションにファルコンSを勝ったダイヤモンドノットあたりが主力を形成する。

前走クラス別では前走GⅠ【4-5-1-27】勝率10.8%、複勝率27.0%、GⅡ【3-2-2-47】勝率5.6%、複勝率13.0%、GⅢ【3-2-7-64】勝率3.9%、複勝率15.8%と重賞組が大半。波乱も多いGⅠだが、されどGⅠの格にふさわしく、重賞組でなければ難しい。

まずは前走GⅠ組から。皐月賞【2-2-0-9】勝率15.4%、複勝率30.8%は上位好走馬か6~9着【0-2-0-0】まで。10着以下は【0-0-0-9】であり、13着カヴァレリッツォ、15着アドマイヤクワッズは無条件にマイル替わり歓迎とは受けとれない。2000mは適性外だったという評価は納得も、それでも大敗となると、活力低下が心配だ。

各トライアルの状況をみる。ニュージーランドT【2-2-2-36】勝率4.8%、複勝率14.3%、ファルコンS【2-0-2-21】勝率8.0%、複勝率16.0%、チャーチルダウンズC【1-0-5-29】勝率2.9%、複勝率17.1%の順。チャーチルダウンズCがやや劣勢も3着5頭と軽く扱えない。
前走GⅡ、GⅢの特徴は1着馬が【1-0-1-27】勝率3.4%、複勝率6.9%と苦戦している点にある。狙うならば、2着【3-3-3-20】勝率10.3%、複勝率31.0%、4着【1-1-0-4】勝率16.7%、複勝率33.3%など惜敗組。ここにNHKマイルCの難しさがある。重賞勝ち馬とて順番。立て続けに頂点まで駆けあがるのは容易ではない。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『サラブレッド大辞典』(カンゼン)に寄稿。
《関連記事》
・【NHKマイルC】特別登録馬一覧
・単複回収率100%超の逃げに妙味、複勝率44.3%誇る川田将雅騎手 東京芝1600mを徹底検証
・長距離芝は複勝率50%超、京都芝は複勝率70%超 レーン騎手の「狙い時」