【アイビスSD】国内屈指のスピードで連覇へ 京大競馬研の本命はピューロマジック

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中央競馬で唯一の直線コース重賞
8月2日(日)にアイビスサマーダッシュ(GⅢ)が行われる。中央競馬で唯一、直線コースで施行される重賞だ。昨年はピューロマジックが走破時計53秒7という芝1000mのJRAレコードタイ記録で勝利した。今年も同馬を含むスピード自慢17頭が揃った。特殊な質を持つ本レースを丁寧に紐解いていきたい。
以下では、本レースが行われる新潟芝1000mのコース形態とそれに起因するレースの質、そして想定される展開を踏まえ予想する。
スムーズに外ラチ沿いを目指せるかが重要
まずは新潟芝1000mのコース形態をみる。コースの全体像は、ホームストレッチの一番左端からスタートし、そのまま1000mの直線を駆け抜けるという形だ。スタート直後から200m強は高低差約1mの上り坂で、その後約200mは下り坂。再度小さな起伏を越えて、ラスト約300mが平坦になっている。これが今回のコースレイアウトだ。
まず注目すべきは、スタートしてから200m強で上り坂から下り坂に転じる点だ。最も加速する2F目が下り坂となるため、序盤のペースは速くなりやすい。
コーナーはないものの、いつも注目する「初角までの距離」が実質1000mとも言えるコースだ。横並びの先手争いは当然長引きやすい。距離的にもコース形態的にもペースが緩む地点はほとんどなく、先行負荷は大きい。終盤で多くの先行勢が脱落してしまう。
とはいえ断然差し有利という訳でもない。昨年から開催2週目での施行になったとはいえ、まだまだ序盤の高速馬場だ。時計は出やすく、簡単に前が止まる馬場ではない。また、先行勢が外ラチ沿いに密集するため、後ろにいると進路を確保できずに脚を余して終わるリスクが通常のレースよりも高い。差し馬にやや分があるものの、展開次第といったところだ。
重要なのは脚質よりもやはり枠順だ。開催が進むと、外回りや内回りと共有する芝部分は徐々に傷んでくる。基本的には全馬が馬場のキレイな外ラチ沿いを目指して走る。
外に切り込んでいく内枠よりも、枠なりに真っ直ぐ走れる外枠の方が必然的に距離ロスは少なく、最短でゴールを目指せる点で有利だ。また、スムーズに外ラチ沿いのポジションを確保できるスタートセンスや、起伏がある中でもスピードを維持できるタフさ、馬群を捌いた経験なども求められる。これがこのコースが持つレースの質だ。
過去10年でも外枠の成績が圧倒的だが

<アイビスSD 枠順別成績>
1~4枠
【3-2-3-69/77】
勝率3.9%、連対率6.5%、複勝率10.4%、
単勝回収率60%、複勝回収率78%
5~8枠
【7-8-7-71/93】
勝率7.5%、連対率16.1%、複勝率23.7%、
単勝回収率86%、複勝回収率63%
※過去10年
アイビスSDにおける1~4枠と5~8枠の成績は上記の通りだ。馬券に絡んだ頭数は内枠が8頭に対し、外枠が22頭。勝率、連対率、複勝率どれも外枠が約2倍だ。
一方で、複勝回収率は外枠の方が低い。近年、新潟千直の外枠有利は一般的に知られてきた。能力が足りなくても「外枠だから」という理由で過剰人気する馬が多い印象だ。
逆に、能力上位で内枠に入った馬がオッズ妙味を持つことがよくある。昨年3枠6番から勝利したピューロマジックはまさにこの代表例だ。
外枠有利は過去10年を見ても間違いないものの、能力評価も含めてオッズ妙味のある馬を適切に選びたい。この点も踏まえて展開予想をしていく。
ハイペース必至の先行馬構成
続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は前走通過順位に3番手以内のある先行馬が10頭と出走馬全17頭に対して多い。多くが徹底先行タイプであり、コース形態と相まってハイペースは必至だ。先行負荷は大きいだろう。
この展開で恵まれるのは外ラチ沿いをスムーズに追走し、馬群を捌いて差し脚を伸ばせる馬だ。後方すぎると進路を確保できないリスクが高いため、中団につけられる追走力は必須だ。近走における追走力や、馬群を捌いた経験を重視したい。
また、並び次第では内枠でもスムーズに外へ持ち出せる。能力上位の馬や当舞台で実績がある「千直リピーター」はオッズ妙味次第で狙ってみたい。以上を踏まえて印を打っていく。
一枚以上抜けた能力を持つ
◎ピューロマジック
昨年勝利した時と同じ3枠6番。内枠に入ったが、それでも軸にしたい。前走の函館スプリントSは好スタートから前半600m33.4秒のハイペースで逃げる競馬。4角5番手以下の馬が2、3、4着に来る差し有利な展開で後続を寄せ付けず快勝した。エーティーマクフィ、レイピアに完勝の内容だった。今回のメンバーでは一枚以上抜けた能力を持つ。
昨年のアイビスSDは無理に外ラチ沿いを取りにいかず、中団で脚を溜める競馬。残り200mで馬場の四分どころから伸びて、芝1000mのJRAレコードタイ記録で勝利した。枠なりにベストの競馬ができる高い操縦性と国内屈指のスピードを持つ。
上述した昨年同様に、末脚で勝負する形なら、想定される展開も向く。スムーズにポテンシャルを最大限発揮すれば勝ち負け必至とみる。内枠に入ったことで過度に嫌われ、オッズ妙味も見込まれる。
◯アメリカンステージ
8枠16番の絶好枠。2走前の韋駄天Sはハンデ57.5キロを背負いながらも前半600m33.0秒のペースを2番手で先行。そのまま0.1秒差2着に粘る、着順、着差以上に評価できる内容だった。勝ち馬との差は斤量の差で、その他の今回出走してくる韋駄天S組とは勝負付けが済んでいる。間違いなく能力上位だ。
前走の青函Sもハンデ57.5キロを背負い、ハイレベル戦でタイム差なし3着。直近2走からの斤量減と2走前以上の絶好枠で上積みに期待できる。外ラチ沿いをスムーズに追走し、馬群を捌いてスピードを生かせれば順当に好走可能とみる。
▲ビッグシーザー
対抗同様、8枠17番の絶好枠を引いた。直近3走こそ後方から良い脚を使うも届かず、という競馬が続いているが、元々は高い先行力がある。長期休養明け後は本来のポテンシャルを発揮し切れていない。
休養前にはGⅠ馬ウインカーネリアンにも完勝しており、今回のメンバーでも十分に戦えるポテンシャルを持つ。加えて、想定される展開も向く。前走からの斤量減で好スタートを決め、外ラチ沿いの中団を追走できればチャンスがある。
△テイエムスパーダ
アイビスSDで2年連続馬券内の快速馬。7枠13番の好枠であれば千直リピーターとして押さえておきたい。先行争いは激しくなるものの、本馬ならポジションを取り切れる。韋駄天Sから斤量減かつ枠も外目になって条件が好転する。近走の敗戦で高いオッズ妙味も見込まれる。
×クムシラコ
隠れた千直リピーター。2022年の本レース勝ち馬ビリーバーの弟で、自身も新潟芝1000mで3勝を挙げており、舞台適性が非常に高い。2走前の韋駄天Sでは内目の枠から上がり4位の脚を使って0.7秒差。今回は6枠12番と枠も良く、一発を期待したい。
×エコロレジーナ
韋駄天S勝ち馬。スピード自慢の千直リピーターだ。菊沢一樹騎手の継続騎乗も心強い。外ラチ沿いをスムーズに先行できれば。
買い目は◎単勝1点、◎-◯▲△×馬連5点、◎-◯▲△-◯▲△×3連複9点で勝負する。
▽アイビスSD予想▽
◎ピューロマジック
◯アメリカンステージ
▲ビッグシーザー
△テイエムスパーダ
×クムシラコ
×エコロレジーナ
《ライタープロフィール》
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。
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