【京都大賞典回顧】エコロディノスが馬場と展開を味方につけて重賞初制覇 田口貫太騎手の好騎乗が光る

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序盤のポジション取りで決めたエコロディノス
秋の京都開幕を告げる京都大賞典はエコロディノスが制し、重賞初制覇。2着マイネルエンペラー、3着アクアヴァーナルで決着した。
秋の京都は予想通り、絶好の馬場状態で開幕した。土曜日はレコードが記録され、速い時計の決着が頻発。イン前、逃げ馬優位の馬場だった。
だが、日曜日は雨模様。午後から降りが強まり、馬場は稍重に悪化した。良ではない開幕週の馬場は適性の判断が難しい。頼れるのは展開。前が止まらないという傾向は日曜日も変わらなかった。
当然、そんな馬場読みは京都大賞典に騎乗する騎手たちも頭に入っており、前の集団は固まって進む展開になった。逃げ一手のミステリーウェイが先手を奪い、その番手につけたのが勝ったエコロディノスだった。
ノドに不安を抱えているエコロディノスにとってこの雨はまさに天の恵み。スタート直後の攻防できっちり番手をとり切った田口貫太騎手の騎乗も光った。
1000m通過59.7は京都大賞典らしいスローペース。だが、後半800m11.8-11.7-11.4-11.8の46.7は極端に速くなく、レースの上がり600mは34.9。これも番手にいたエコロディノスの追い風となった。
これまで記録した上がり600m最速は京都記念で記録した34.0であり、速い上がりへの対応に限界があるタイプ。それゆえに34.9の勝負は願ってもない形で、これも湿った馬場の影響だろう。
田口貫太騎手、うれしいJRA重賞初制覇
スローでも上がりが速くない競馬となれば、後続も差を詰めてきてもおかしくなかった。後ろの位置をとった騎手たちも前残りを警戒し、3、4コーナーで動いていったが、これが結果的に大外を回される形になってしまい、脚を使っても届かなかった。
まくって出た馬たちが差し切れそうで届かない。これも開幕週の馬場の影響だろう。様々な視点でみても、馬場がポイントになった競馬といえる。
勝ったエコロディノスはこれで11戦5勝。着外は毎日杯、大阪杯、函館記念の3度しかない堅実派。崩れない成績を支えるのが安定した先行力だ。
ハイペースや外差し優勢の差し馬場だとしんどいが、いまの日本の馬場はほぼイン前、先行優位のため、崩れることは少ない。上がりが速いと厳しいが、適度な上がりでまとめられる条件であれば、今後も注目すべき一頭だろう。
デビュー4年目の田口貫太騎手はこれがうれしいJRA重賞初制覇。若手騎手らしくダート成績の方が上だが、芝だと京都の成績がよく、勝ち星は外回り1400、1800mが上位だ。
2400mは芝ダートともこれが初勝利。重賞初勝利とは思えないほどの落ち着いた騎乗であり、序盤のポジション取りは見事だった。この勝利をきっかけに中距離以上でも結果を残せるようになってくるのではないか。
休み明けも影響したアクアヴァーナル
2着マイネルエンペラーはエコロディノスの後ろにつけており、こちらも展開を味方につけることができた。どちらかといえば、速い時計だと分が悪いタイプで稍重、上がりが掛かる馬場もハマった。
勝った日経賞ほどの馬場ではなく、こちらはもう少し重い馬場での活躍が見込める。ゆったり流れる2400m以上の道悪で買うのを忘れないようにしよう。
3着アクアヴァーナルは人気馬であり、後ろのままだと勝負にならないと踏み、3コーナーからまくり気味に進出。4コーナーも抜群の手応えに見えたため、この馬が勝つかと思ったが、エコロディノスに粘られ、差を詰められそうで詰め切れなかった。最後に伸びを欠いたのは秋初戦にしては厳しい競馬になり、休み明けの分ではないか。

ライタープロフィール
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『名馬コレクション 芦毛の怪物たち』(ガイドワークス)に寄稿。
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