【東京盃回顧】大井所属の3歳馬ゼーロスがハナ差の接戦を制する 荒山勝徳調教師の仕上げと笹川翼騎手の手腕で交流重賞初制覇

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
600m通過33.4のハイペース
大井競馬場では東京盃(JpnⅡ・ダート1200m)が行われ、笹川翼騎手が騎乗した大井所属のゼーロスが勝利した。
11月3日の金沢・ダート1400mが舞台となるJBCスプリントの前哨戦に、JRAからは昨年の覇者ヤマニンチェルキと同3着のサンライズアムールに加え、前走の兵庫チャンピオンシップを制し、2走前にはサウジダービーでも3着と健闘したサトノボヤージュ、北海道スプリントC組のトウカイマシェリとエコロレーヴと3頭の3歳馬が集結。
地元勢も東京スプリント2着のティントレット、転入初戦となったガビーズシスターに、古馬とは初対戦となる3歳のゼーロスが加わるなど、好メンバーが揃った。
レースは、エートラックスとヤマニンチェルキによる激しい先行争いの外から200mを過ぎたところでエコロレーヴがハナを奪い切る。しかしヤマニンチェルキが再び抵抗して先頭に入れ替わるという目まぐるしい展開となり、12.1-10.3-11.0(33.4)で最初の600mを通過した。
ゼーロス陣営は、スタートダッシュで流れに乗って2、3番手をイメージしていたとのことだが、速い馬も多く、道中4番手グループの外を追走。前半がハイペースだったぶん、レースの後半600mは37.6、ラップは12.1-12.0-13.5と最後は急失速しているが、前がなかなか止まらない馬場で、ヤマニンチェルキがしぶとく粘っていたところを一完歩ずつ迫ってハナ差で差し切った。
「最後は底力と言いますか、外から他の馬が来たときにもうひと踏ん張りしたような形で、本当に最後まで馬が一生懸命頑張ってくれたと思います。そこがこの馬の良いところでもありますが、逆を言えば難しいところでもあって、今日はそれが良い方に出たのかなと思います」と笹川騎手は振り返ったが、最後の着差は笹川騎手が必死に手綱を前に押し出したぶんの差であり、鞍上の手腕が光っていた。
また「今回は古馬との交流でしたので、ぬるい調教ではダメだと思ってトレーニングをハードにしましたが、しっかり応えてくれました」という荒山勝徳調教師の仕上げも、素晴らしいの一言に尽きる。
春の兵庫チャンピオンシップは、今回1番人気の支持を集めたサトノボヤージュとトウカイマシェリに先着を許したが着差は2馬身半差、0.4秒差の3着に好走。前走、6月の優駿スプリントでは初の1200m戦ながら、南関東の3歳勢同士では格の違いを見せつけて4馬身差の勝利を収めており、通用する能力は示していたが、今回の勝利で更なる成長が感じられた。
状態を確認しつつという前置きはあるが、JBCスプリントへと向かうことになりそうとのことで、次走も楽しみだ。
ヤマニンチェルキは復調の気配を感じる2着
2着のヤマニンチェルキは2月のサウジ遠征から帰国後、東京スプリント4着、さきたま杯10着、サマーチャンピオン5着と、昨年の勢いと比較して物足りないレースが続き、6番人気だった。
今回は岩田望来騎手の騎乗停止で、大井の御神本訓史騎手とのコンビで挑んだが、今まで以上に積極的なレースを展開。敗れはしたものの、ハイペースで最後まで踏ん張った内容からは復調の気配が感じられた。
3着トウカイマシェリは、前走に引き続いてまたしてもスタートで大きく出遅れ。すぐさま巻き返して中団から運び、直線は大外から伸びて勝ち馬から0.1秒差まで迫った。ラスト1F13.5とかかったことも味方したが、先行勢が上位に粘るなかでただ一頭伸びてきた地力は評価できる。
1番人気のサトノボヤージュは前走兵庫チャンピオンシップから馬体重プラス20kgでの出走。ゼーロスのすぐ内を追走していたが勝負所での反応もあまり良くなく、直線も外から被されて内に追いやられる形となるなど、伸びを欠いて6着に終わった。
《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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