【秋華賞】モンローウォークは“ローズS組の壁”を破れるか GⅠ馬も前走オークス組も不在で異例ずくめ

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思い出される2019年
秋華賞に桜花賞馬もオークス馬もいないという年は、同じ三冠の菊花賞と比べるとかなり少ない。距離適性を鑑みて判断する牡馬に対し、牝馬はオークスからはむしろ距離短縮となり、適性の違いという影響はほぼない。
桜花賞馬、オークス馬不在の秋華賞といえば、2019年が思い出される。
この年の桜花賞馬グランアレグリアは、結果的に出走しなかったが、秋はスプリンターズSを目標に調整された。スターアニスに重なる。
オークス馬ラヴズオンリーユーは、秋華賞に向けて調整されたものの、アクシデントがあったため間に合わず、エリザベス女王杯に目標を切り替えた。これもジュウリョクピエロに似ている。
この年、秋華賞を制したのはクロノジェネシス。春二冠3着馬が最後の一冠を勝ちとった。もちろん、今年が2019年と同じ結末をたどると決まったわけではないが、似たプロフィールの馬を探すと、どうも完全に一致する馬はいない。ドリームコアが近いが、桜花賞9着がどう出るか。ここも推理のしどころだろう。
ここからは阪神施行だった21、22年を含む過去10年分のデータを使用して、秋華賞を展望する。

人気別では、1番人気【4-0-1-5】勝率40.0%、複勝率50.0%、2番人気【1-3-2-4】勝率10.0%、複勝率60.0%、3番人気【3-1-2-4】勝率30.0%、複勝率60.0%と続き、勝ち馬は4番人気【2-2-0-6】勝率20.0%、複勝率40.0%まで。一昔前の秋華賞は波乱もあったが、最近は極めて順当な決着が目立つ。
5番人気【0-3-1-6】複勝率40.0%より下の人気は目立った成績をあげておらず、おおよそ上位5頭の壁は高い。ただし今年はGⅠ馬不在の異例の一戦。もうひとつ、桜花賞、オークスの二冠どちらにも出走したのは、スウィートハピネス、ドリームコアの2頭しかおらず、異例中の異例ともいえる。

関西圏でおこなわれるラスト一冠は、登録馬も関東馬6頭に対し、関西馬12頭で関西馬優勢の印象がある。だが、過去10年でみると、美浦【4-4-2-54】勝率6.3%、複勝率15.6%、栗東【6-6-8-87】勝率5.6%、複勝率18.7%と確率上は五分に近い。
3着以内に入る数は関西馬が上なので、今年も倍もいる関西馬から探すのは当然だが、関東馬にもきちんと検討の目を向けないと馬券的中は呼び込めない。
トライアルは紫苑S優勢だが
今年、注目を集めるのはローズSを圧勝したモンローウォーク。2歳夏から約10カ月休養しており、春二冠はおろか、そこへ進むオープン、重賞にも出走していない。正真正銘の新星であり、その力関係の見定めはこのレース最大のポイントになりそうだ。

前走クラスでみると、前走GⅠが【7-1-3-14】勝率28.0%、複勝率44.0%と圧倒的で、すべて前走オークスからの直行組。例年ならここをアテにして馬券を組み立てればいいが、今年はジュウリョクピエロの回避によってまさかの不在。アプローチ方法を大きく転換しないといけない。

こうなると、前走トライアル組の検討から入らないといけない。前走紫苑S【3-5-0-38】勝率6.5%、複勝率17.4%、ローズS【0-2-6-48】複勝率14.3%。データでみると、紫苑S優勢に映る。
しかし、このデータは割と古い年の数字がけん引しており、GⅡ格上げ後の紫苑Sに絞ると【0-1-0-12】複勝率7.7%。どうも格が上がってからの数字が悪く、直近トレンドで考えると、実は手を出しづらい。もちろん、異例の秋華賞なので、ここがつながってくる可能性は大いに考えられるが、そこをデータで語るのは難しい。
今年の紫苑Sは重馬場で行われ、前後半1000m61.9-61.6とかなりタフな競馬になった。序盤からゴールまでほぼラップは上昇せず、加速を問われる競馬ではなかった点はポイントになるだろう。本番が良馬場となった場合だと上位に評価しにくい。

モンローウォークの前走ローズSが注目されるが、ここ10年の同組は勝ち馬ゼロの複勝率14.3%とトーンがあがってこない。着順別だと、1着【0-1-2-6】複勝率33.3%なので、勝ち馬中心の評価でいいが、この数字で推すのは遠慮したくなる。例年であれば、ローズSは日程も詰まっており、軽視でいいと書くところだが、今年は異例の状況なので、ここが機能することも考えられる。
ローズSは前半1000m通過58.9の平均ペースから後半800m11.4-11.3-11.2-11.7。モンローウォークはスピードをきっちり証明した。先行脚質であり、函館2戦の内容をみても、コーナー4回の競馬も苦にしない。不安要素が少ない一頭であることは揺るがない。
あとはローズSから巻き返す馬がどれほどいるか。休み明けで6、7着に敗れたスマートプリエール、スウィートハピネスの上昇度にも注目しよう。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『名馬コレクション 芦毛の怪物たち』(ガイドワークス)に寄稿。
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