【天皇賞(秋)】“札幌記念連対ローテ”は複勝率50% 末脚武器にシェイクユアハートが強力GⅠ馬に挑む

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運命を左右する枠順
ついに秋の古馬中長距離路線が最初の見せ場を迎える。登録は17頭。舞台は東京芝2000m。その昔ほどではないが、枠順は大きなファクターになりうる。レース当週の木曜午後は関係者に緊張が走る時間だ。
2コーナーをスムーズに通過するには内目の枠は必須だが、内過ぎるのもよくない。過去10年で3枠から内は2勝どまり。2019年アーモンドアイ、21年エフフォーリアが内枠から勝利を収めた。どちらもクラシックウィナー。よほどの実力がなければクリアできない。
残る道はパンサラッサやアエロリットがとったような大胆な先行策。正攻法の競馬で内から流れに乗るのは容易ではない。
一方で、6枠から外も2勝。8枠は3着が1頭だけで、外枠はもっと厳しい。最多勝は4枠の4勝、ついで5枠2勝。真ん中からスタートし、内と外の出方を確認しながら、位置をとる形がいい。
理想の枠を引くのか、そうでないのか。運がレース展開を大きく左右する。不確定要素が入り込むのも競馬。そこをどう克服するかが競馬の魅力でもある。ここからは過去10年分のデータを使用して、今年の天皇賞(秋)を展望する。

運が左右するわりに人気馬は崩れない。1番人気は【7-1-0-2】勝率70.0%、複勝率80.0%と驚異的で、2番人気【2-1-2-5】勝率20.0%、複勝率50.0%、3番人気【1-2-1-6】勝率10.0%、複勝率40.0%と続き、勝ち馬は4番人気以下から出ていない。かつては大波乱もあった秋の盾だが、最近は極めて堅調だ。
一方で6番人気【0-1-3-6】複勝率40.0%、7番人気【0-2-0-8】、8番人気【0-0-2-8】複勝率20.0%と中穴人気の複穴提供はありうる。3連系を買う際はこれも頭に入れておきたいところ。上位人気だけで馬券を固めるのはオススメできない。

昨年が顕著だったが、近年は3歳が【3-1-1-5】勝率30.0%、複勝率50.0%とやたら強い。菊花賞には向かわず、中距離に、それも目標を天皇賞(秋)に定める馬は主役を張れる。斤量の優位性と秋の成長曲線を背景に古馬を乗り越える3歳馬は多い。
昨年のマスカレードボールは皐月賞3着、ダービー2着。クラシック好走馬なら十分手が届く。毎日王冠7着リアライズシリウスは皐月賞2着、ダービー7着。前走での崩れは気になるところだが、実績面は見劣らない。とはいえ、マスカレードボールほどのインパクトはなく、迷うところだろう。
以下、古馬勢は4歳【3-6-4-35】勝率6.3%、複勝率27.1%、5歳【4-3-4-38】勝率8.2%、複勝率22.4%が本線。6歳は【0-0-1-23】複勝率4.2%なので、まずはこの2世代に注目していきたい。
カギを握るのは宝塚記念と毎日王冠
4歳は昨年覇者マスカレードボール、春GⅠ3戦で1着、1着、2着のクロワデュノールがツートップ。ひとつ上のダノンデサイル、レガレイラは復権をこのレースでかける。

菊花賞は前哨戦を使った馬たちが中心だったが、天皇賞(秋)ははっきりと直行ローテが優勢のレース。前走GⅠ(国内)は【8-7-5-20】勝率20.0%、複勝率50.0%で、このレースで秋初戦を迎える馬が強い。
逆に夏場にGⅠを使った馬、つまり前走が海外だと【0-0-0-7】でフレッシュな馬が極めて優位だ。7月にキングジョージを使ったマスカレードボールはこのデータを越えないと、連覇は達成できない。

前走GⅠのうち、宝塚記念は【3-2-3-15】勝率13.0%、複勝率34.8%。2着クロワデュノール、3着ダノンデサイルが該当する。着順別では2着【0-0-0-1】、3着【0-1-1-2】複勝率50.0%。6~9着【2-0-0-2】なので、結果を残せなかった馬の巻き返しという点は気になる。阪神芝2200mとは適性が大きく異なる舞台だからこその数字だろう。
といっても、むしろ東京を得意とするダービー馬2頭にとってこのコース替わりはプラスでしかない。適性を考えると数字をそのまま受けとっていいものか。むしろ条件的に合わない宝塚記念での2、3着を評価すべきではないか。

前走GⅡは【2-3-5-71】勝率2.5%、複勝率12.3%。本来は少し厳しいゾーンだが、今年は毎日王冠を筆頭にGⅡ経由の頭数が多く、検討しないわけにはいかない。その毎日王冠は【0-0-4-28】複勝率12.5%。中3週に延びた昨年は1頭だけだったので、今年、改めて注目したい。
2~5着【0-0-4-14】なので、ホウオウビスケッツ、レディネスが有力。逃げるホウオウビスケッツが粘れる展開のなか、その好位の後ろから末脚を伸ばしたレディネスはおもしろい。この舞台でプリンシパルSを勝っているが、4コーナー11番手から上がり600m33.2を記録するという豪快な内容だった。
前走札幌記念は【1-2-1-15】勝率5.3%、複勝率21.1%。1、2着【1-2-1-4】であり、シェイクユアハート、サクラファレルは候補に入る。金鯱賞での切れ味を踏まえれば、シェイクユアハートの差し脚は魅力。6歳馬ではあるが、割って入れるか注目しよう。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『名馬コレクション 芦毛の怪物たち』(ガイドワークス)に寄稿。
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