【ファンタジーS】新馬戦で“控えた”馬が過去10年で4勝 完成度高いブライトスクリプトは能力上位

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選択肢は1番人気か人気薄か
阪神JFにつながるステップレースはふたつ。東京芝1600mのアルテミスSと京都芝外回り1400mのファンタジーS。前者はチャンピオンコースのマイル戦で本番につながるイメージが強いが、後者は昔からマイラーよりスプリンターの出世レースとみられている。
過去の勝ち馬にはアストンマーチャン、ベルカント、レシステンシア、メイケイエールと古馬になってスプリント戦線を盛り上げた名牝の名が並ぶ。また、2012年勝ち馬サウンドリアーナは、今年のキーンランドCを勝ち、スプリンターズSで3着に入ったサウンドモリアーナを輩出した。
データだけではなく、過去の勝ち馬の顔ぶれから、将来スプリント戦線で大成しそうな馬を探すのもいい。先物買いを馬券に反映させ、穴馬券を的中させるのも2歳重賞のおもしろさ。とにかくファンタジーSはスプリント適性に注目したい。
ここからは2020~22年の阪神開催を含む過去10年分のデータを使用して、今年のファンタジーSを展望する。

人気別では、1番人気は【4-2-1-3】勝率40.0%、複勝率70.0%と比較的安定した成績を残している。荒れる印象の強い重賞だが、軸は1番人気が最適といえる。以下、2番人気【1-1-1-7】勝率10.0%、複勝率30.0%と一気に信頼度は低下していき、3番人気は【0-1-3-6】複勝率40.0%となっている。
1番人気以外の狙いどころが、10番人気以下【2-3-2-31】勝率5.3%、複勝率18.4%なのだから、やはり難しい重賞だ。穴から入るなら思い切って人気薄から、中途半端に狙うのがもっともよくない。

波乱構造にある重賞だが、キャリアの考え方はアルテミスSやサウジアラビアRCと同じ。1戦【4-2-1-21】勝率14.3%、複勝率25.0%、2戦【6-2-3-46】勝率10.5%、複勝率19.3%と浅いキャリアが中心だ。
ただ、3戦【0-4-6-20】複勝率33.3%なので、3連複やワイドの軸はキャリア3戦の人気薄がおもしろい。複勝回収値が209%と高い点はファンタジーS独自の傾向であり、頭に入れておいてほしい。
ベニバナの巻き返しの余地
函館2歳S1、2着フェリチタ、イモージェンは満を持してここから暮れのGⅠを目指していく。仕上がりの早さ、完成度の高さは大きな武器で、やはり軽く扱えないか。
ほかにも新潟2歳S5着シャンデヴァーグ、中京2歳S3着ビスケットサンドは収得賞金400万円組であり、ここで賞金加算を目指す。来春までの時間を逆算すれば、賞金加算は早ければ早いほうがいい。

前走新馬1着馬は位置取りから好走ゾーンを探っていく。逃げ【0-0-0-4】、先行【2-1-1-10】勝率14.3%、複勝率28.6%、中団【2-1-0-8】勝率18.2%、複勝率27.3%と控えて差した経験が大切で、ツキミ、ブライトスクリプトが当てはまる。
新馬を逃げ切ったセイウンマイラヴ、レニュアージュはレースの組み立てがカギ。重賞を勝つとなると、デビュー戦から大人びた競馬をしている必要がある。
ブライトスクリプトの新馬戦は京都芝内回り1400mが舞台。後半600m11.7-11.4-11.3の加速ラップを上がり33.8で5番手から差し切って、逃げた2着馬に2馬身差をつけた。完成度に加え、スケール感もたっぷり。将来のスプリンターというイメージは感じないが、能力上位であることは間違いない。

キャリア2戦以上の前走クラス別成績では、未勝利【2-0-2-21】勝率8.0%、複勝率16.0%、1勝クラス【2-1-1-12】勝率12.5%、複勝率25.0%、GⅢ【2-3-2-21】勝率7.1%、複勝率25.0%と絞りにくい。
重賞は新潟2歳S【1-1-1-2】勝率20.0%、複勝率60.0%で2~4着が【1-1-1-0】、函館2歳Sは【0-1-0-4】複勝率20.0%。22年ブトンドールが函館2歳S1着から好走したものの、2着以下は【0-0-0-4】と距離延長が壁になるケースは多い。
1勝クラスでは、りんどう賞【1-0-1-9】のうち1~3番人気【1-0-1-5】、4番人気以下【0-0-0-4】。今年、3番人気4着のベニバナはスタートの遅れもあり4着に終わったが、中京での2戦は好位に構える競馬で好走していた。ゲートさえ決めれば、巻き返す可能性はある。
3戦すべて1400mを走り、姉ユメシバイは芝1200m2勝とスプリント色もある。叔父には皐月賞馬ジオグリフがおり、母の母アロマティコから広がる確たる血の強さもある。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『名馬コレクション 芦毛の怪物たち』(ガイドワークス)に寄稿。
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