【京都新聞杯】クロノジェネシスの初仔ベレシートに注目 折り合いカギも素質の高さはメンバー屈指

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3つのファクターから推奨馬を見つけ出す
今回は5月9日(土)に京都競馬場で行われる京都新聞杯について、下記3つのファクターを組み合わせるコンプレックスアナライズで分析を行っていく。
・レースの好走馬及び凡走馬の共通項を探る「重要データ」
・目には見えない上積みを探る「前走の内容」
・適性と素質を知るための「血統評価」
特別登録のあった17頭を検討対象とし、中京開催時も含めた過去10年のデータを使用する。
重要データ:前走クラスに注目

京都新聞杯はダービーへの最終切符とも言われるレースで、優先出走権の付与こそないものの、賞金加算により大舞台に進む最後のチャンスとなるレース。今年も2着以内に入ればダービーへの出走が可能になりそうな有力馬が多数おり、見どころの多い一戦となりそうだ。
そんな京都新聞杯で注目したいデータは「前走クラス別成績」だ。まず未勝利戦からの臨戦だった馬は【0-1-0-25】で、さすがに厳しい傾向にある。
続いて1勝クラス組は【4-6-6-39】で、単勝回収率83%、複勝回収率91%とやや高め。2019年の勝ち馬レッドジェニアルは1勝クラスで4着に敗れた後の巻き返しだったが、同馬を除く3頭の勝ち馬はいずれも1勝クラス勝ちからの臨戦だったので、基本的には勝利してきた馬を狙いたい。
また、同じ1勝クラスでも、勝利した馬の前走レースを見るとゆきやなぎ賞が2頭、はなみずき賞が1頭でアザレア賞が1頭。すべて特別戦からであり、平場の1勝クラスからは勝ち馬が出ていない点も押さえておきたいポイントだ。
続いてはOP/L組。こちらは【1-1-1-14】で単回収率104%、複回収率73%となっている。なかでも注目したいレースが【1-1-0-7】と2頭の好走馬を出している若葉Sで、今年はサヴォアフェールが同レース3着から参戦する。
GⅢ組も【4-1-2-12】単回収率227%、複回収率100%で要注目。特に前走4着以内だった馬に絞ると【3-1-1-6】で複勝率は45.5%の好成績で狙い目だ。
GⅡ組は【0-1-1-2】と勝ち馬は出ていないものの、複勝率50.0%で複回収率は130%ある。ただし、馬券になった2頭の前走着差を見ると、いずれも勝ち馬から0.5秒以内の負けに留めていた。今年唯一の該当馬であるステラスペースは前走の弥生賞が0.7秒差の7着であり、ここは割引が必要だろう。
最後にGⅠ組を見ていく。こちらは【1-0-0-7】で、勝利したのは皐月賞10着からの臨戦だった2020年ディープボンドのみ。ちなみに8頭はすべて皐月賞からの参戦だった。今年はバドリナートが前走GⅠ組にあたるが、その前走はホープフルS(5着)。2歳GⅠからのローテーションは過去に前例がなく未知数だ。
【好走データに該当する出走予定馬】
・エムズビギン
・カフジエメンタール
・サヴォアフェール
・ベレシート
前走の内容:ベレシートの共同通信杯
ベレシートの前走は共同通信杯(2着)。素質は高いが折り合いに難しさがあり、前走も多少の前進は見られたものの、やはり折り合いに苦労するところは見受けられた。
レースは前半4Fが47.4秒、後半4Fは46.0秒で後傾1.4秒のスローペース。前々で運んだリアライズシリウスが自分のリズムで気分よく進め、重賞2勝目を挙げた。
ただし、ベレシートは9頭立ての4角8番手から上がり最速で追い込み、勝ち馬とタイム差なしの2着。アタマ差で敗れたが、展開を考えればこちらの方が数段強い競馬をしていた。もう少しペースが流れていれば差し切っていただろう。
レースぶりから広い東京コース向きで、京都外回りの今回も条件は悪くない。ラスト800mからの下り坂を味方につけることができれば十分に適性の範囲内とみる。
血統解説:ベレシート

・ベレシート
日本での牝祖は4代母ラスティックベル。いわずと知れた名牝系で、本馬の母クロノジェネシスのほかにも香港C(GⅠ/芝2000m)勝ち馬ノームコアや、重賞4勝フサイチエアデールなどがいる。
芝適性が高く、末脚の持続力と豊富なスタミナが牝系の特徴。成長力が目立つ一方で仕上がりも決して遅いわけではなく、長く活躍できるのもポイントだ。
本馬の母クロノジェネシスはGⅠを計4勝した名牝で、同馬もラスティックベル牝系らしくスパッと切れるタイプではなく、持続性能とタフさで勝負するタイプ。GⅠ勝ちを見ても計4勝のうち3勝をグランプリレースで挙げている。
本馬は父にエピファネイアを迎えたことで、スピード性能は高くなっているが、その分気性面に難しさを抱えてしまっている。配合から考えれば前走は距離的に短すぎるくらいだが、折り合いを考えればベストという選択肢だったのだろう。
難しい面は抱えつつ、その折り合いという課題が少しでも前進すれば、重賞タイトルを掴むだけの素質があることは前走で証明済み。京都の外回りも末脚の持続性能を活かすにはもってこいの舞台だ。
Cアナライズではベレシートを推奨
今回のCアナライズではベレシートを推奨する。
直近2戦は惜しいレースが続いているが、いずれもロスがあってのもので、素質の高さはメンバーの中でもNo.1であることは疑いようがない。
ポイントはやはり「折り合い」に尽きる。最終追い切りや、パドックでのテンションには注意を払いたいところだが、自分のリズムで走ることさえできれば、トップクラスでも好走できるだけのものを持っている馬だ。
《ライタープロフィール》
貴シンジ
競馬ライター。サラブレッドの血統をファミリー中心に分析する牝系研究家。3つのファクターから構築する「コンプレックスアナライズ」を駆使して競馬予想を行う。WEBサイト『ウマフリ』で「牝系図鑑」も連載中。競馬予想のほか商業誌での執筆、一口馬主クラブ募集馬やセリ馬の血統分析、血統の魅力の伝承、繁殖牝馬の配合提案などを独自の切り口から行う。
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