【神戸新聞杯】三冠を"確信"させたディープインパクトの完勝劇 2005年の一戦をプレイバック
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【神戸新聞杯】三冠を"確信"させたディープインパクトの完勝劇 2005年の一戦をプレイバック

2026/09/14 17:00
緒方きしん
プレイバック2005年 神戸新聞杯,ⒸSPAIA

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無敗の二冠馬の「勝ち方」に注目が集まる

今週は神戸新聞杯が開催される。過去にはシンボリクリスエスやキングカメハメハ、メイショウタバルらが制したレース。今回はそんな中から2005年の一戦をピックアップして当時を振り返っていく。

2005年の神戸新聞杯は、競馬ファンのみならず世間の注目を集めた一戦だった。デビューから無敗の5連勝で皐月賞、ダービーを完勝したディープインパクトの秋初戦であったためだ。武豊騎手とのコンビは三冠確実と見られており、注目は夏を越しての成長や状態面、そして「勝ち方」に集まっていた。単勝オッズは1.1倍。多くのファンがここでの勝利を確信していた。

残る12頭も、セントライト記念など他レースではなく、あえてディープインパクトとの対決を選んだ素質馬たちだった。2番人気に支持されたのは、ここまで5戦3勝で連対率100%を誇るストーミーカフェ。札幌2歳S、共同通信杯と既に重賞2勝を挙げ、能力は証明済みだった。それでも単勝オッズは13.2倍。やはり一強ムードは揺るがなかった。

3番人気のアドマイヤジャパンは京成杯を勝ち、皐月賞では3着に入った実力馬。弥生賞から4戦連続でディープインパクトとの対決を選んだ。鞍上の横山典弘騎手は、デビュー2戦目からの相棒。母が名牝ビワハイジという血統からもファンの期待を集めていた。

4番人気は2戦2勝のマチカネキララ、5番人気はダービー3着、皐月賞2着のシックスセンス。さらには毎日杯勝ち馬で母ロゼカラーの良血馬ローゼンクロイツをはじめ、トウカイトリック、ヴァーミリアンなど面白い存在も顔をそろえた。

大外から豪快に進出

当時の舞台は阪神芝2000m。ややバラついたスタートから、各陣営の思惑が絡み合うような複雑なポジション争いが展開される。先頭を奪ったのは4枠4番ストーミーカフェで、鞍上の四位洋文騎手がラチ沿いに誘導する。その後ろにアドマイヤジャパン、5番手にはマチカネキララと上位人気馬の多くが先行する形となった。

そしてディープインパクトは、ほぼ最後方を選択。13頭中12番手を駆ける姿に、観衆の視線が集中する。さらに後ろにはシルクタイガーがいたものの離れており、実質は最後方。いつものように豪快な追い込みが見られるのかと、場内は俄然沸き立った。

向正面に差し掛かるころには、ストーミーカフェがじわじわと後続を引き離し、単独で逃げる形に。3馬身ほど離れてアドマイヤジャパン、テイエムヒットベが続く。隊列はかなり縦長となり、やはり「ディープインパクトとどう戦うか」が見えるレースとなっていた。

先行集団からさらに3馬身ほど離れて、8番手をシックスセンス、ローゼンクロイツが並走。4頭ほどで小さな馬群を形成する。そこから少し離れて、ディープインパクト。この位置からどのような末脚を見せてくれるのか。

3コーナーに入ると、徐々に隊列が縮まり始める。先頭のストーミーカフェに、先行勢がじわりと詰め寄っていく。ディープインパクトが動くより先に、前が仕掛ける形となった。

しかし、その直後にスタンドから大歓声がわき起こる。ディープインパクトが、進出を開始したのだ。ただ1頭、まったく違う脚色で大外を上がっていく。

直線入口では、すでに大外から2番手集団にまで追い上げていた。直線まで先頭を守ったストーミーカフェが懸命に粘り、ディープインパクトの内にはアドマイヤジャパン、マチカネキララ、シックスセンス。前の各馬も必死の抵抗を見せる。

残り200メートルで、ディープインパクトが先頭に立つ。唯一ついていくシックスセンスも、スピードの差で徐々に離される。それでも勝負根性は切らさず、懸命に食らいつく。後方からは、ローゼンクロイツが猛然と追い込んでくる。

結局、大歓声に包まれながら、ディープインパクトが2馬身半差をつけて完勝。2着シックスセンス、3着ローゼンクロイツと、道中中団の馬たちが続いた。

逃げたストーミーカフェは8着に沈む一方、2番手のアドマイヤジャパンは5着に粘り、スタミナの片鱗をのぞかせた。ただ、3着と4着マチカネキララの差は5馬身。上位3頭が力を示した一戦だった。何より、多くのファンがディープインパクトの三冠達成を確信した瞬間でもあった。

1番人気、5番人気、6番人気での決着。当然、ディープインパクトの複勝は元返しだった。ただ、シックスセンスとローゼンクロイツのワイドは1,360円、3連複は2,150円。掲示板を6番人気以内が占めた平穏決着としては、やや高めの印象もある配当となった。

三冠に向けてロブチェンが始動

ディープインパクトはその次走、菊花賞を完勝。2着にはアドマイヤジャパン、3着にはローゼンクロイツ、4着にはシックスセンスと神戸新聞杯組で上位を独占した。

古馬になっても数々の勲章を獲得するが、引退後はそれ以上に、父として歴史的な活躍を見せる。数えきれないほどの活躍馬を送り出し、深く競馬史に名前を刻み込んだ。

神戸新聞杯ではサトノダイヤモンド、ワグネリアン、コントレイル、ジャスティンパレスと直仔が次々に勝利。孫世代でもステラヴェローチェ(母父ディープインパクト)、サトノグランツ(父サトノダイヤモンド)、エリキング(父キズナ)と、血を継ぐ馬が制している。

同期のアドマイヤジャパンは、今はYogiboヴェルサイユリゾートファームで功労馬として余生を過ごしている。同馬がビーズソファ「Yogibo」に寝転ぶ映像は瞬く間に話題に。全国放映のCM等で目にした人も多いのではないだろうか。また種牡馬時代に残した繁殖たちも活躍し、母父アドマイヤジャパンのサークルオブライフは2021年の阪神JFを制覇、最優秀2歳牝馬に輝いている。

さて、今週の神戸新聞杯にはディープインパクトの孫ロブチェンが登場する。祖父と同じく皐月賞、ダービーを制した二冠馬として、三冠制覇の期待がかかる。まずはその第一歩となる前哨戦。奇しくも父ワールドプレミアは、この神戸新聞杯で3着に敗れている。祖父が圧勝し、父が涙をのんだ舞台で、ロブチェンはどんな走りを見せるのか。

そしてその先には、祖父ディープインパクト、父ワールドプレミアがともに制した菊花賞が待つ。親子3世代での菊花賞制覇──そんなドラマにも期待しながら、その走りを見守りたい。

《ライタープロフィール》
緒方きしん
札幌生まれ、札幌育ちの競馬ライター。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、オルフェーヴル、ドウデュース。

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