【ジャパンダートクラシック回顧】シルバーレシオがGⅠ級初制覇 ハイペースを味方につけて豪快に差し切る

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
1000m通過は59.1
3歳ダート三冠の最終戦、ジャパンダートクラシック(JpnⅠ・ダート2000m)は横山武史騎手騎乗のシルバーレシオが勝利し、GⅠ級競走初制覇を飾った。
路線整備が行われて3年目となるが、過去2年は春の二冠馬がいずれも敗れ、春は不出走だったフォーエバーヤング、ナルカミが三冠を阻止。今年も羽田盃、東京ダービーを制したフィンガーが三冠を狙うという状況で、JRAの出走枠7つのうち4頭が別路線から参戦してきた。
1番人気のイッテラッシャイは前走の不来方賞を含め、逃げて3連勝。三冠がかかるフィンガーも前走、アメリカのパシフィッククラシックでは先行できずに終わってしまったものの羽田盃と東京ダービーを逃げ切っており、どちらも自分の形を持っている。そうした点から、先行争いが激しくなるのではないかという見方があった。
レースのラップタイムは12.1-10.7-11.2-12.5-12.6-12.6-13.0-13.6-12.7-13.0。8枠からイッテラッシャイがスピードを活かして先頭に立ったが、絶対にハナは譲らないという構えを見せたフィンガーが競りかけて600m通過は34.0。最終的にフィンガーが主導権を奪って隊列は決まったが、前半1000m通過は59.1という超ハイペースとなった。
後半1000mは1:04.9も要しているように前に行った2頭にとっては苦しく、イッテラッシャイは3角で後退して16着。フィンガーも直線に向いたところでは一杯になって9着に終わったが、どちらも自分の形は貫いたと言える。
一方でシルバーレシオは、春はユニコーンSを制して東京ダービーに参戦し、フィンガーとは1.1/4馬身差の2着。スタートしてから行き脚がつかないものの、終いの瞬発力が持ち味というタイプで、このペースを最も味方につけた。
岩田望来騎手が騎乗停止となったため、代打騎乗となった横山騎手。「調教でコンタクトを取った時から、前半であまり急かすとよくないタイプだなというイメージを持っていたので、岩田望来騎手からも馬の癖などを聞いて、前半のリズムを大事にしました」と振り返ったように、序盤は後方3番手を追走した。
1000mを過ぎたあたりで徐々にポジションを押し上げ、4角でも7番手だったが、直線は大外から豪快に差し切り。レース上がり39.3、上がり2位のワンダーディーンが39.0というなか、シルバーレシオ自身は37.6でまとめ、一頭だけ次元の違う末脚だった。
現状では展開に注文がつくタイプだが、横山騎手は「まだ緩くて成長途上のなかでもこれだけ走れる子ですから、なかなかのポテンシャルを秘めているのかなと感じますし、もっともっと良くなりそうな余地がありそうなので、今後はより楽しみです」と期待を寄せる。
また管理する野中賢二調教師も今後について「JBCクラシックの権利は得ましたので選択肢の一つとして考えたいと思いますが、成長過程の馬なので間隔を詰めて使うかどうか確認していきたいです」と語った。この先、どう強さを増していくのか楽しみだ。
ワンダーディーンが2着
2着のワンダーディーンはスタートで躓いたが、道中6番手を追走。4角では3番手までポジションを押し上げ、直線では早め先頭から押し切りを図った。最後はシルバーレシオに1馬身差をつけられたが、後続には3馬身差。今年の上半期はサウジダービー4着、UAEダービーを優勝、その後ケンタッキーダービーにも挑戦し8着と海外を転戦してきた素質は示した。

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
チェリヴェントは、前走レパードSを制しての参戦。5番手からレースを進め、勝負所でワンダーディーンが動いたところで自身は反応しきれない面を見せたが、最後までしぶとさを発揮して3着という結果だった。
《ライタープロフィール》
三木俊幸
編集者を経てフリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場でレースシーンを撮影しながら、執筆活動も行っている。
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