【秋華賞】3冠初出走で単勝1.1倍、4戦無敗ファインモーションの横綱相撲 2002年をプレイバック

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春のクラシックホースが不在の一戦
今週は秋華賞が開催される。過去にはファレノプシスやカワカミプリンセス、クロノジェネシスらが制したレース。今回はそんな中から2002年の一戦をピックアップして当時を振り返っていく。
2002年の秋華賞には、単勝1.1倍という圧倒的な支持を集めた馬がいた。それも、春のクラシックレースには未出走だった馬である。
アイルランドから輸入されたマル外の牝馬、ファインモーションだ。デビュー2戦目となる8月の条件戦を制すると、同月に3勝目、翌月のローズSで4連勝を達成。いずれも危なげないレース運びであり、ローズSでは2着に3馬身、3着にはさらに2馬身差をつける圧勝だった。
重賞でもこれだけ走れるなら、その強さは本物だ。そう判断したであろうファンは多く、ローズSでの単勝1.2倍から、本番では1.1倍とさらに人気を集めていた。
2番人気は桜花賞3着、オークス5着とクラシックで善戦してきたシャイニンルビー。3番人気のサクラヴィクトリアは、3勝すべてがダート戦という異色の経歴。関東オークス、クイーンS、ローズSと条件を問わず上がり最速をマークする末脚が魅力だった。
他にも、オークス2着馬チャペルコンサート、スイートピーS、紫苑Sとオープン競走2勝のオースミコスモ、紫苑S11番人気2着のシアリアスバイオ、青森県産馬の2歳女王タムロチェリーなど、一発のありそうなメンバーが揃っていた。圧倒的人気馬とどう戦うのか、ファンから熱い視線が注がれた。
2番手から上がり最速の完勝
有力各馬が揃ったスタートを見せ、ファインモーションも6枠12番から好位を取りにいく。しかしライバルたちも譲らず、先行集団は最初の直線では横に広がったまま進んでいった。
先頭に立ったのは、オークス3着馬で、逃げて勝った実績もあるユウキャラット。チャペルコンサート、オースミコスモなどが好位から続く。コーナーに入ると自然と隊列が決まっていき、一気に縦長になった。
ユウキャラットが勢いよく加速して2番手のタムロチェリーを引き離す。ファインモーションは内側に馬を置き、外を回って5、6番手を追走した。後方では、サクラヴィクトリアが12番手、シャイニンルビーはその後ろに控えていた。
向正面に入ると後方勢がじわりと位置を上げるが、前にはまだ余力がある。ユウキャラットは後ろを引きつけるように少しスピードを抑えて3コーナーに差し掛かる。好位の馬たちがここで進出を始めた。
ファインモーションが大外を凄まじい勢いで加速する。抵抗したのは、前を走っていたチャペルコンサート。馬体を並べて進出すると、2番手のタムロチェリーを一気に交わす。先頭のユウキャラットもとらえるかというところで直線へ入る。
併せていたチャペルコンサートが一杯となるなか、余裕の手応えのファインモーション。内ラチ沿いからはオースミコスモが猛然と追い込もうとするが、その差は縮まらない。粘るユウキャラットを抜き去ると、ファインモーションはさらに加速していった。
後方勢も外から懸命に脚を伸ばすが、すでに勝負は決していた。ファインモーションは後続を寄せつけず、2着に3馬身半差をつけて悠々とゴール。圧巻の横綱相撲だった。
2着は上がり2位を記録したサクラヴィクトリア、3着は上がり3位のシアリアスバイオ。メンバー屈指の末脚を使った馬が上位に食い込んだ。とはいえ、直線入口ですでに2番手まで押し上げていたファインモーションが上がり最速をマークしており、後続にはなす術のないレースだったとも言える。
1番人気と3番人気の決着で、枠連は270円、馬連は470円と堅く収まった。ただし3着に7番人気のシアリアスバイオが食い込み、2、3着のワイドは1,480円の好配当。4着に11番人気カネトシディザイア、5着に8番人気トシザダンサーと人気薄が上位に入っており、2着争い次第では配当はさらに荒れていたかもしれない。
ファインモーションの再来なるか 4戦全勝のモンローウォーク
ファインモーションは、続くエリザベス女王杯でもレディパステル、ローズバド、スマイルトゥモローら強豪を抑えて勝利を挙げた。しかしそれが最後のGⅠ勝利となり、その後は有馬記念5着、マイルCS2着と牡馬相手に善戦するも、タイトルには手が届かなかった。
引退後、ファインモーションは子を残せていない。あのスピード感、そして父が大種牡馬デインヒルという血統的なスケール感など、繁殖牝馬としてのポテンシャルは一級品だっただけに、惜しまれるところだ。
さて、2002年の秋華賞には、桜花賞馬アローキャリーも、オークス馬スマイルトゥモローもいなかった。奇しくも今年も、桜花賞馬スターアニス、オークス馬ジュウリョクピエロが不在となる。
そして、主役を担いそうなのは春クラシック未出走の4戦4勝馬モンローウォーク。当時のファインモーションの姿を重ねるファンも多いだろう。前走のローズSでは、好位から上がり最速で押し切る力強い走りを見せた。本番でも同じような強さを見せつけられるだろうか──。
《ライタープロフィール》
緒方きしん
札幌生まれ、札幌育ちの競馬ライター。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、ダイワスカーレット、ドウデュース。
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