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【NHKマイルC】「大王」キングカメハメハが衝撃の5馬身差レコードV 強敵を一蹴した2004年をプレイバック

2026/05/04 17:00
緒方きしん
プレイバック2004年NHKマイルカップ

クラシック善戦組を押しのけ、素質馬2頭が上位人気に

今週はNHKマイルCが開催される。過去にはエルコンドルパサーやクロフネ、アドマイヤマーズらが制したレース。今回はそんな中から2004年の一戦をピックアップして当時のレースを振り返っていく。

2004年のNHKマイルCは単勝オッズ10倍を切る馬が4頭。多彩なバックボーンを持つ素質馬が揃い、力関係も決まりきっていない。ファンにとって悩ましい一戦となった。

1番人気はキングカメハメハ。これまで5戦4勝と抜群の安定感を示してきた。輸入した繁殖牝馬マンファスの持込馬で、その父は世界的名種牡馬のキングマンボ。生まれた時から期待を集めた血統馬であり、金子真人オーナーがセレクトセールで落札した。マイル未経験という不安はあったが、その素質の高さには早くから注目が集まっていた。

2番人気は同じく5戦4勝の外国産馬シーキングザダイヤ。母シーキングザパールは、武豊騎手とのコンビで日本調教馬初の海外GⅠ制覇を成し遂げた名牝で、父はストームキャット。母同様、武豊騎手とコンビを組んで重賞連勝と、キングカメハメハに迫る支持を集めていた。

3番人気はタイキシャトル産駒のメイショウボーラー。デビューは1000m戦だったが徐々に距離を延ばし、弥生賞2着、皐月賞3着と中距離で通用する力を示していた。7戦中6戦でコンビを組んだ福永祐一騎手と上位進出を狙う。

4番人気はコスモサンビーム。前年の朝日杯FSでメイショウボーラーを破り2歳王者に輝いた実績馬で、父はザグレブ。皐月賞では4着に敗れたが、実績あるマイルで上位争いが期待された。

ダービーをも意識させる圧勝

ゲートが開くとほぼ揃ったスタートから、メイショウボーラーがスッと先頭を奪う。外枠の先行勢や、ワンテンポ遅れて勢いがついたタイキバカラも加わり、先行争いは激しくなる。後方も負けじとくらいついていき、前半600mは33秒9のハイペースとなった。

キングカメハメハとコスモサンビームはほぼ並走し、その前にシーキングザダイヤ。人気馬4頭のうち3頭は中団に固まる形でレースを進めた。

3コーナーに入ると、タイキバカラが徐々に後続を引き離しにかかる。メイショウボーラーはインの3番手に収まり、ほか人気3頭のポジション関係は変わらず。ここから各馬がどう仕掛けるか。そのタイミングをファンも息を飲んで見守る。

4コーナーでは外から動く馬が出るなか、メイショウボーラーと福永騎手は依然、内で構える。迎えた直線、各馬が横に大きく広がる。好位にいたダイワバンディットの脚色が良いが、その外から凄まじい勢いで伸びてくる馬がいた──キングカメハメハである。

内からコスモサンビームが伸びて先頭に立ち、好位からメイショウボーラーも脚を使う。逃げるタイキバカラも粘りを見せた。

しかしキングカメハメハは、その馬たちを一瞬で、並ぶ間もなく抜き去る。あとは独壇場。2着コスモサンビームに5馬身差をつけ、悠々とゴールを駆け抜けた。

あまりの強さに、「これほどだったか」とファンは唸った。その走りは、先に控えるダービーを強く意識させるものだった。レースレコード、そして最大着差という記録も頷ける完勝だった。

2番人気シーキングザダイヤは7着に敗れたものの、2着は4番人気コスモサンビーム、3着は3番人気メイショウボーラーと、上位人気馬が馬券内を独占した。三連複1,580円は、馬単2,140円よりも低配当。上位人気4頭の実力が抜けていたことを示す決着だった。

黒・青袖・黄鋸歯形の勝負服、ダイヤモンドノット参戦

その後、キングカメハメハは日本ダービーもレコードで勝利。秋初戦の神戸新聞杯を勝ち、秋初戦の神戸新聞杯を制してここから競馬界を牽引すると思われた矢先、右前浅屈腱炎を発症して無念の引退となった。ダービーではハーツクライ、スズカマンボ、ダイワメジャーといった強豪を退けており、その強さを改めて感じさせる形での幕引きだった。

しかし一つ下の世代には、同じ勝負服のスーパースターが登場する。三冠馬ディープインパクトである。同じ金子オーナーのもとに現れた新たな主役は、競馬界を大いに沸かせた。その姿を見て、前年の競馬を知るファンは「キングカメハメハと戦っていたらどうなっていたか」と思いを巡らせたに違いない。

そのキングカメハメハとディープインパクトの対決は、引退後に実現する。種牡馬としての激しいリーディング争いを繰り広げたのである。

キングカメハメハは中距離でレイデオロ、ルーラーシップ、短距離でロードカナロア、ダートでホッコータルマエを輩出。いずれもサンデーサイレンスの血を持たない点も特徴で、種牡馬としても活躍している。

ロードカナロアからはベラジオオペラやダノンスマッシュ、サートゥルナーリアが、ルーラーシップからはソウルラッシュやキセキが種牡馬入り。父の父、さらにその先へと、日本競馬の血統図に深く名前を刻み込んでいる。

そして今年のNHKマイルCには、キングカメハメハやディープインパクトと同じ、黒・青袖・黄鋸歯形の勝負服が登場する。ブリックスアンドモルタル産駒のダイヤモンドノットである。

朝日杯FSは2着に敗れたが、次走ファルコンSでの走りは素質の高さを感じさせた。輸入種牡馬であるブリックスアンドモルタルの後継としても期待がかかる。果たして、その期待に応える走りを見せ、未来を掴み取ることはできるのだろか──。

《ライタープロフィール》
緒方きしん
札幌生まれ、札幌育ちの競馬ライター。家族の影響で、物心つく前から毎週末の競馬を楽しみに過ごす日々を送る。2016年に新しい競馬のWEBメディア「ウマフリ」を設立し、馬券だけではない競馬の楽しみ方をサイトで提案している。好きな馬はレオダーバン、スペシャルウィーク、ドウデュース、ジャンタルマンタル。

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