【チャレンジC回顧】タフな展開で光ったジョバンニの持続力 2着カラマティアノスは持久力戦で再評価

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ラップが引き出したジョバンニの強み
昨年から9月開催に移ったチャレンジカップはジョバンニが勝ち、待望の重賞初制覇。2着カラマティアノス、3着ジーティーアダマンで決着した。
ホープフルステークスを含め、これまで重賞2着4度のシルバーコレクターがいよいよ卒業のときを迎えた。前走の小倉記念ではゼンダンハヤブサに差されるなど、どのレースでも正攻法の競馬からあと一歩足りないという競馬を続けてきた。
高性能だが勝負に負ける。チャレンジCのゴール板はジョバンニの関係者にとって待ちに待った瞬間だったにちがいない。とはいえ、タイム差なし。クビ差の際どい勝負であり、シャッターカメラの映像をハラハラしながら見守っていただろう。
ジョバンニのベストの形は今回で見えてきた。シンプルにレースラップを並べる。12.5-10.7-12.0-12.3-11.9-11.8-11.5-11.7-11.5-11.7、前後半1000m59.4-58.2。初角まで距離がない阪神内回り芝2000mはテンから速くなりにくく、1、2コーナーで一旦ペースが落ちる。余分な力を使わずに好位にとりつけるコースはジョバンニにとってレースに入りやすい。
一方、そこから向正面で落ち着いたまま進めば後ろも脚を溜めることができ、決め手の差が出てしまう。しかし、今回のように向正面でペースが落ちないとジョバンニの先行力と粘り強さが強みになる。
後半1200mすべて11秒台かつ、ほぼラップの上下動がない形がジョバンニの持続力を見事に引き出した。レーススタイルは違うが、GⅠの名勝負を何度も演出したキセキに似た雰囲気を感じる。
中盤のレースラップを支配し、得意の形に持ち込めば、もう一つ上も見えてくるのではないか。同世代にはスローの切れ味勝負=緩急に強い馬たちが揃っており、ライバルたちに対抗すべく存在感を増していくだろう。
母のベアフットレディはイギリスの芝7ハロンGⅢ、カナダの芝9ハロンGⅡの勝ち馬で、母の父にジャイアンツコーズウェイの血をもつ。
本馬はニジンスキー、カーリアン、ストームキャットの血が入った持続力型で、そこにシンボリクリスエス、エピファネイアの血も加わっており、マイル戦のような息が入らない流れに強い。血の特性をつかんだ完成形が見えてきた競馬だった。
9番人気は盲点だったカラマティアノス
2着カラマティアノスはコーナー4回の2000mに強く、かつジョバンニが得意とする持続力勝負で力を発揮する。七夕賞は勝負所で位置を下げてしまい、後手に回ってしまったが、今回はしっかりジョバンニについていく形で流れに乗りきれた。
本来はこのぐらい走れる馬だ。コーナー4回の2000m適性を考えると、9番人気は人気の盲点であり、買わなかったことを大いに反省したい。
3着ジーティーアダマンは近走、外回りの1800mで結果を残していたが、こちらも決して切れ味勝負を望まないルーラーシップ産駒で、今回のような持続力勝負で力を発揮する。とはいえ2000mは少しだけ距離が長いような印象もある。
またルーラーシップ産駒は非根幹距離に強い産駒が多く、その特性も覚えておきたい。現役だとホーエリートが典型的だ。
1番人気マテンロウゲイルは5着。あえて古馬相手のここを選んだが、それにしても今回は3歳馬には流れが厳しすぎたか。それも先行しており、5着はむしろ健闘したといっていい。
この流れを経験したことが必ず次走以降に生きてくるにちがいない。2番人気マリアイリダータは4着。上がり最速でよく追い込んだが届かなかった。今回は上位で踏ん張った馬たちが強力だった。重賞の流れに慣れてくれば、変わってくるだろう。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『名馬コレクション 芦毛の怪物たち』(ガイドワークス)に寄稿。
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