【ローズS回顧】見せつけた“余裕”、モンローウォークが無傷4連勝 「令和のファインモーション」が秋華賞の主役に名乗り

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加速ラップに余裕で対応
秋華賞トライアルのローズステークスはモンローウォークが制し、重賞初制覇。2着エンネ、3着イクシードで決着し、上位3頭が秋華賞の優先出走権を獲得した。
今年の3歳牝馬戦線は例年になく混戦模様だ。桜花賞馬スターアニスはスプリント路線を選び、桜花賞の2着馬、3着馬はオークスには進まず。2着ギャラボーグは桜花賞以来の実戦を秋華賞で迎える予定となっている。
そして、オークス馬ジュウリョクピエロも秋華賞直行。この世代唯一のGⅠ馬として、最終戦で再び世代の頂点を狙う。
そのオークスは6着までが0.1秒差の大接戦であり、このうち桜花賞に出走していたのは、2着ドリームコアと5着スウィートハピネスの2頭だけ。上位は新顔が多かった。桜花賞とオークスがつながらなかった春を思えば、秋も新星が誕生してもおかしくない。
モンローウォークはその筆頭格と目され、このローズSで確信に変わったといっても過言ではなかろう。ジュウリョクピエロとの対戦が楽しみになった。
モンローウォークの持ち味は、ジュウリョクピエロとは対角線上にある。スタートダッシュで前のポジションを狙い、好位に収まり、じっとスパートの瞬間を待つ。多少、前半が速くなっても苦にしないスピードが武器だ。
今回も逃げるファストフォワードを前に置き、番手でじっくり進めることができた。前半1000m58.9は絶好の馬場状態を保つ阪神芝においてそこまで速くはないが、200m通過後からゴールまですべて11秒台が続くラップ構成は厳しい。
特に後半800mは11.4-11.3-11.2-11.7。急坂まで加速していくラップのなか、モンローウォークはただ一頭、抜群の手応えで直線を迎えた。この時点で勝負はあった。全力を出し切らずにトライアルを突破したのもまた強調材料だ。
3戦無敗でローズSに挑戦し、4戦4勝としたのは2002年ファインモーション以来だ。その後、秋華賞、エリザベス女王杯まで勝ち進み、連勝を6まで伸ばした名牝も、夏の北海道で力をつけてきた。モンローウォークはその戦歴も、競馬っぷりもそっくりで、令和のファインモーションと評されるのも納得だ。
ファインモーションが勝ったローズSは阪神芝2000mだったが、着差の3馬身も同じ。本当にファインモーションと同じ道をたどっている。ジュウリョクピエロの瞬発力との対決は今から楽しみでならない。
ブリンカーで一変したエンネ
2着エンネは休み明けの今回、ブリンカーを装着して臨んだ。春は前半で位置を取れず、常に後手に回りながら挽回する競馬を続けており、好位4番手につけた今回はその効果があったといえる。
インの4番手というこれまでにないスタイルの競馬をしても、戸惑うことなく2着に粘った。春とはひと味違う。同時に本来、この手のスピードレースは得意ではなく、コーナー4つの2000m戦での変わり身にも期待できる。好枠からじっと我慢する競馬に持ち込めれば、チャンスは生まれてくるだろう。
3着イクシードは2勝馬であり、まずは権利を獲ったことが大きい。スタートで遅れた時点で無理をさせず、じっと構えて直線の爆発力に賭けた。その分、コーナーで外を回らされ、上位2頭に対して明らかに劣勢な状況にあったが、3着まできた。
兄イクイノックスにはまだまだ及ばないが、外を回る差し馬が不発に終わるトラックバイアスでもしっかり脚を使うことができた。資質の高さはきっちり示したと言える。次走は体調面の変化によって決まるが、将来性はモンローウォークにも引けをとらない。

《ライタープロフィール》
勝木 淳
競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースオーサーを務める。『名馬コレクション 芦毛の怪物たち』(ガイドワークス)に寄稿。
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