【スプリンターズS】"本質はスプリンター"の桜花賞馬が世代交代へ 京大競馬研の本命はスターアニス

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混戦模様のスプリント王者決定戦
9月27日(日)にスプリンターズS(GⅠ)が行われる。このレースで勝利経験があるママコチャ、ルガル、ウインカーネリアンをはじめ、重賞2連勝中のフリッカージャブや快速馬ピューロマジック、3歳世代からは桜花賞馬スターアニスが参戦する。秋のスプリント王者決定戦に相応しいメンバーが揃った、どの馬が勝ってもおかしくない混戦模様の一戦だ。
以下では、本レースが行われる中山芝1200mのコース形態とそれに起因するレースの質、そして想定される展開を踏まえ予想する。
先行負荷が高い一方で、一気に差し切るには短い直線
まずは中山芝1200mのコース形態をみる。外回りの向正面中間地点からスタートし、初角までの距離は約250m。おむすび型の外回りコースを使用し、スタート直後から3コーナー中間まで下り坂。直線は中央主場4場の中で最短の310mで、最後に高低差2.4mの急坂が待ち構える。これが今回のコースレイアウトだ。
まず注目すべきは初角までの距離が約250mとかなり短い点。序盤の先手争いは長引きにくい。ただ、スタート直後から下り坂となるため、ペースは流れやすいのが特徴となる。
3コーナーを過ぎてからもタイトな流れは変わらず、直線に入るまでにペースが緩むタイミングはほとんどない。最終直線に入るまでに後方勢が先行勢とのポジション差を埋めにくく、馬群が比較的縦長の状態で直線を迎えやすい。
最終直線も310mと短く、最後に急坂があるタフなコース形態だ。全馬の終盤の脚色は鈍り、上がりに差が生まれにくい。先行負荷がそれなりに高く、簡単には前が残し切れない一方、ポジション差を直線の末脚だけで一気に逆転するのはより難しい。
したがって、序盤から積極的にポジションを取って内前をロスなく立ち回り、しぶとく残し切れる持続力の高い先行馬が恵まれやすい。これがこのコースが持つレースの質だ。
地力がなければ簡単には残し切れない

<スプリンターズS 4角通過順別成績>
4番手以内
【5-7-3-30/45】
勝率11.1%、連対率26.7%、複勝率33.3%、
単勝回収率242%、複勝回収率166%
※過去10年
スプリンターズSにおける4角4番手以内馬の成績は上記の通り優秀だ。ただ、回収率こそ高いものの、馬券圏内30頭のうち該当馬は15頭と半数にとどまり、コースが持つ質ほど飛び抜けて好走してもいない。
これはスプリント最高峰の舞台で先行力が確かなメンバーが揃いやすいことに加え、開催最終週かつCコース2週目の高速とはいえない馬場で、逃げ馬や2、3番手で運んだ馬の前残りが容易ではないことによる。ある程度前目で運びつつ、最前列の先行勢が垂れてきたところに末脚を伸ばして抜け出す競馬が理想だ。
どれくらい序盤のペースが流れ、どこの位置からなら先行して残し切れるのか、差し届くのか。以下の展開予想で検討していく。
ハイペースで馬群が縦長のまま直線を迎える展開
続いて今回想定される展開から恵まれる馬を考える。メンバー構成は、直近の日本での競馬において通過順位に3番手以内のある先行馬が8頭と、出走馬全16頭に対して多い。
日本屈指の快速馬ピューロマジックをはじめ、テンの速い馬が揃い、緩い流れは考えにくい。前半600m32~33秒台前半のハイペースで流れるとみる。この展開で恵まれるのは、好位~中団前目につける先行力や追走力を持ち、前を捕まえる形で早めに抜け出すことができる、持続する末脚を使える馬だ。
馬群が縦長の状態で直線を迎えることはほぼ確実だろう。ペースが差し馬向きとはいえ、直線だけで最後方から一気に差し切るのは相当な地力がなければ至難だ。前目か中団のポジションが取れる先行力、追走力は欠かせない。この点も踏まえて印を打っていく。
前走は適性距離外の敗戦
◎スターアニス
マイル路線を中心とした活躍が光る3歳世代屈指の実力馬。前走のオークスは好スタートから先行するも通過順位4-6-8-10と徐々に位置を落とし12着。最後も伸びず、明らかに適性距離外であり、度外視可能な敗戦だ。
注目は2歳時まで飛んで、5走前の小倉芝1200m未勝利戦。先行して、ラストは加速ラップで2着に1.1秒差をつけて快勝した。同コースの2歳未勝利戦において、勝ち時計1:08.0以内かつ上がり最速で勝利した馬は本馬を含めて2頭のみ。1週間前の北九州記念に0.2秒差と迫る優秀な勝ち時計だった。
その後の阪神JF、桜花賞でマイルGⅠ2連勝を決めたが、適性的にギリギリの距離で勝利したという評価。本質はやはりスプリンターとみる。初めての古馬との対決だが、キャリア最軽量の斤量54キロで大きなアドバンテージがあり、C.ルメール騎手への乗り替わりも心強い。
大幅な距離短縮だが、高いスタートセンスと中団に付けられる追走力がある。外目からスムーズに追い出し、ポテンシャルを最大限発揮すれば勝ち負け必至とみて本命を打つ。
◯ママコチャ
前走のセントウルSは前半600m32.8秒のハイペースでも開幕週の高速馬場で前が止まらない展開。4角1、2番手の馬が2着→1着に残すなか、本馬は6番手から上がり2位の脚を使って0.3秒差3着。最も強い競馬で、着順、着差以上に評価できる内容だった。
今年のオーシャンSでもピューロマジックが作る超ハイペースを難なく追走できたように安定した追走力があり、堅実に末脚を使える。叩き2走目かつ開催最終週である今回、前走と同様のペースであればフリッカージャブとピューロマジックには逆転可能とみる。
7歳でもまだまだ確かな地力があることは前走で証明済みだ。本レースやオーシャンSの勝利経験があるように中山芝1200mは得意な舞台の一つ。内から中団前目をスムーズに追走し、前を捕まえて早めに抜け出すことができれば勝ち負け可能とみる。
▲フリッカージャブ
重賞2連勝中。安定した先行力でセントウルS、北九州記念ともに好位から早めに抜け出して快勝した。どんなペースでも難なく追走してロスなく立ち回れる高い競馬センスと末脚の持続力があり、高速馬場、時計のかかる馬場どちらにも対応できる。
前走の阪神コースにおける急坂での伸び方を見ても、中山の急坂もこなせるはずだ。国内最高峰の舞台で急激にメンバーレベルが上がるが、それでも地力は上位とみる。
先手を取りにいく両隣のウインカーネリアン、ピューロマジックの動きを見る形で中団外目を追走し、早めに追い出す形を期待したい。枠と外の並びで過度に嫌われてオッズ妙味が見込まれ、3番手で押さえたい。
△ルガル
一昨年の本レース勝ち馬。注目は3走前のオーシャンS。前半600m32.0秒の超ハイペースを2番手で先行し、4角6番手以下の馬が1、2、4、5着を占める差し有利な展開で0.1秒差3着に粘った。最も強い競馬をしたと評価する。
国内の直近3走で戦った相手を見てもまだまだ地力は上位だ。外枠主導の隊列で流れに乗って前から運べれば持ち前の粘り強さで十分に残せる。海外での敗戦でオッズ妙味が見込まれる。
×パンジャタワー
高松宮記念4着馬。前走のキーンランドCはスローペースで4角1、2番手が3着→1着に残る展開に対し、同6番手から上がり3位で0.2秒差2着に入った。マイルからの距離短縮に対応し、能力の高さを発揮した。前走よりも想定される展開が向く今回、上積みに期待したい。
×サウンドモリアーナ
上記パンジャタワーとの比較で高いオッズ妙味あり。前走は先行して上がり4位の脚を使った。3枠5番の好枠で、好スタートからママコチャの一列前で運べればチャンスがある。
×レイピア
直近6走勝利はないものの、高松宮記念含む重賞で一度も掲示板を外していない。中団から常に堅実な末脚を使えるのが強みだ。直近で最も展開が向きそうな今回は押さえたい。
買い目は◎単勝1点、◎-◯▲△×馬連6点、◎-◯▲△-◯▲△×3連複12点で勝負する。
▽スプリンターズS予想▽
◎スターアニス
◯ママコチャ
▲フリッカージャブ
△ルガル
×パンジャタワー
×サウンドモリアーナ
×レイピア
《ライタープロフィール》
京都大学競馬研究会
今年で30周年を迎える、京都大学の競馬サークル。馬主や競馬評論家など多くの競馬関係者を輩出した実績を持つ。また書籍やGⅠ予想ブログ等も執筆。回収率100%超えの本格派が揃う。
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