【菊花賞】勝負度合い高いゴーイントゥスカイが本命候補 穴馬はシートゥサミットとアスクエジンバラ
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【菊花賞】勝負度合い高いゴーイントゥスカイが本命候補 穴馬はシートゥサミットとアスクエジンバラ

2026/10/24 17:00
山崎エリカ
菊花賞のPP指数,ⒸSPAIA

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2周目の3角位置がポイント

菊花賞は全馬初の3000m戦となるため、2周目・3角までは脚を溜める展開がほとんどだ。

京都開催の直近10回をみても、2017年こそ極悪馬場という滅多にない条件でのレースとなり、かなりの前傾ラップになったが、それ以外の年は平均ペースよりも遅い流れで決着している。

良~稍重では2周目・3角の下り坂からペースアップする傾向にあり、3角である程度前の位置を取れるかが勝負の分かれ目になる。

2015年にキタサンブラックが3角10番手から優勝しているが、これは中団の最内で包まれて、一時的に位置を下げたもの。それ以外はすべて3角9番手以内から勝利している。

今年は雨予報だが、2017年のような不良馬場にはならないと見ている。そうなると、3角である程度前の位置にいないと勝ち負けするのは難しい。

能力値1~5位の紹介

2026年菊花賞のPP指数一覧,ⒸSPAIA


【能力値1位 ダノンヒストリー】
4戦3勝。デビュー2戦目の東京スポーツ杯2歳ステークスこそ前有利の展開を出遅れて後方3番手からの追走となり、3~4角で外を回るロスも作って7着に敗れたが、4角先頭の持久力を活かす形では3勝を挙げている。

それも今夏の函館、札幌の芝2600m戦では、芝のレースらしからぬ大きな着差で1勝クラスと阿寒湖特別(2勝クラス)を連勝した。

前走の阿寒湖特別では2番枠からまずまずのスタートを切り、促して先行策。外から前を主張する馬を行かせながら外に誘導し、好位の外で進める。

スタンド前では折り合いに専念し、リアルファインドの後ろの4列目付近。向正面で外から同馬にじわっと並びかけ、3列目で3角に入った。

3角では楽な手応えで前との差を詰め、4角でも馬なりで2番手に上がって仕掛ける。外々から一気に先頭に立つと、3馬身差で直線へ。序盤で突き抜けて5馬身差。ラスト1Fでさらに差を広げ、8馬身差で楽勝した。

当時の札幌は高速馬場で、前後半5F60秒6-60秒6の平均ペース。本馬よりも前で進めていた馬が8着以下に敗れているように、実質ハイペースだったが、これは自身が後半で引き上げて平均ペースにまとめたものだった。

直近2走で負かした相手は、次走で1頭も馬券に絡んでいないように低調。それでも、本馬が記録した能力値を見るとここでは堂々の1位で、さらに鞍上には3年連続で菊花賞を勝利しているC.ルメール騎手を確保した。前走どおりの走りならばここも圧勝するだろう。

ただし、問題があるとすれば、前走圧勝の疲れが懸念される点と、自分の形に持ち込めなかった時に脆さを秘めている点だ。

昨年も、前走で九十九里特別(2勝クラス・中山芝2500m)を7馬身差で圧勝したマイユニバースが4番人気に支持されたが、出遅れて13着に敗れている。

圧勝は強さの裏付けだが、次走には繋がりにくい側面もある。ダノンヒストリーは2戦連続の圧勝で、いずれは大舞台を勝つ大器と見ているが、今回においては対抗評価とする。

【能力値2位 ロブチェン】
6戦5勝の二冠馬。唯一3着に敗れた共同通信杯は、逃げたくないなかでロケットスタートとなり(突進したタイミングでゲートが開いたとのこと)、控えるなかでリアライズシリウスに進路をカットされるシーンもあった。

そこでかなり掛かり、折り合い重視で進める形となったところ、3~4角のペースアップで置かれ、結果的に2着のベレシートにも伸び負ける形となった。

その後の皐月賞と日本ダービーはともに着差0秒2以内の小差だが、皐月賞は逃げて勝利、日本ダービーは中団の外から差して勝利と、成長力を見せながら幅広い競馬に対応して結果を出してきたことは好感が持てる。

前走の神戸新聞杯も単勝1.4倍の支持に応えて勝利。ここでは1番枠から五分のスタートを切り、軽く押していたが、最終的には控えて好位の最内を追走。道中では折り合いに専念していたが、ペースがかなり遅かったので、向正面で後方に下げて外に誘導した。

3~4角で後方の3頭分外、ショウナンハヤナミの後ろで仕掛けを待ち、4角では4頭分外から軽く仕掛けて3列目で直線へ。序盤で追われるとじわじわ伸びて2列目まで上がり、ラスト1Fで前のシートゥサミットを捉える。最後は内から伸びたアルトラムスとの大接戦になったが、何とかハナ差で勝利した。

当時はコンクリートレベルの高速馬場で、前後半5F61秒9-58秒4という超絶スローペース。展開や進路取りを考えても恵まれた競馬ではなかったが、着差以上に強い内容だった。また、長距離の菊花賞を意識した、折り合いに専念する騎乗だったといえる。

本馬は長距離がベストかはともかく、決め手が求められる天皇賞(秋)よりは菊花賞が向く。しかし、世代間の能力差が小さく、二冠馬にしていつも何とか勝ったようなレースぶりなのは気にかかる。自在性があるので大崩れはしないと見ているが、3番手評価まで。

【能力値3位タイ ゴーイントゥスカイ】
日本ダービーでは二冠馬ロブチェンと0秒1差の4着。ここでは14番枠から1馬身ほど出遅れ、無理をさせずに後方からの追走。道中はかなりのスローで、折り合いを意識して進めていたが、後方中目で包まれて動けずにいた。

3~4角でも後方馬群の中目で進め、4角で軽く仕掛けて外に出して直線へ。序盤では左鞭で外に誘導しながらまだ後方。ラスト2Fで追われると、しぶとく伸びて中団に上がる。

ラスト1Fでは他馬と違う脚色で猛追したが、ロブチェンやパントルナイーフの1列後ろ、3着バステールにもハナ差届かずの4着までだった。

当時はコンクリートレベルの高速馬場で、前後半5F60秒7-57秒7というかなりのスローペース。前有利の展開だったが、向正面でバステールの捲りがあっても動ける位置にいなかったために、上がり3F最速の32秒8を駆使しても届かなかった。位置が後ろ過ぎたということだ。

前走のセントライト記念は、好位の最内を立ち回った12番人気ジャスティンシカゴが勝利しているように、かなり内と前に有利な馬場と展開だった。

本馬は6着に敗れているが、出遅れて後方2列目からの追走となり、3~4角で4頭分外から進出するかなりのロスを作っている。にもかかわらず、ここでも上がり3Fは最速タイと最後までしぶとかった。

能力値上位のダノンヒストリーとロブチェンが前走で自己最高の指数を記録しているのに対し、本馬は馬場と展開に恵まれず、前走で能力を出し切れていない。

さらに、鞍上の武豊騎手はレース後に「向正面でも動けなくもなかったが、次のことを考えると動きづらかった」とコメント。長距離の菊花賞を意識して、終始折り合いに専念した騎乗だった。ここへ向けての勝負度合いの差から、本命に推す。

【能力値3位タイ ジャスティンシカゴ】
セントライト記念の勝ち馬。同レースでは7番枠から五分のスタートを切って先行策。先行馬が手薄だったこともあり、楽々と外2番手を確保すると、1角で2列目の最内に入れた。道中もかなりのスローだったが、同位置で上手く折り合っていた。

3~4角では2列目の最内。4角でひとつ外から先頭に立ったアスクエジンバラの後ろを取って直線へ。序盤で追いながら外に出すと、楽な手応えで同馬に並びかける。ラスト1Fでアスクエジンバラをかわし、外のサヴォアフェールの追撃も封じて1馬身半差で完勝した。

当時は標準馬場で、前後半5Fは62秒5-58秒8。超絶スローペースで前有利の展開。さらに、この週は前日のレインボーSで最内を通った馬が馬券内を独占し、3連単13万馬券が飛び出すなど、圧倒的に内有利な馬場でもあった。つまり、本馬は馬場と展開にかなり恵まれていた。

今年のセントライト記念は意外とレベルが高く、前走指数は神戸新聞杯を勝ったロブチェンと同等のものを記録しているが、レース内容には差がある。また、同じセントライト記念組ならゴーイントゥスカイなど、馬場と展開に恵まれなかった馬に食指が動く。

【能力値5位 キンググローリー】
デビューは芝1600mだったが、スピード不足で結果を出せず、距離を延ばして1~2番手に行くことで上昇した馬。中山芝2200mの未勝利で逃げ切り勝ちを収めて以降、崩れたのは大外から2番手を取りに行った京都新聞杯と、距離が短かったラジオNIKKEI賞のみだ。

前走では中山芝2500mの九十九里特別(2勝クラス)を勝利。ここでは11番枠からやや出遅れ、押して先行したが序盤は2列目の外。スタンド前で先頭のトリニティを外からかわし、1角で内に切って主導権を握る。

向正面でじわっと仕掛けて3角に入ると、3~4角でさらにペースを上げ、後続を突き放して直線へ。序盤でリードを広げて3馬身半差。ラスト1Fで内から捌いたノラリクラリには差を詰められたが、1馬身半のセーフティーリードで完勝した。

当時は標準馬場のスローペース。この日も内が圧倒的に有利な馬場で、ハナを取り切ったことでロスのない立ち回りができているが、3角手前から仕掛けており、そこまで前有利の展開ではなかった。また、この時の2着馬ノラリクラリは次走で陣馬特別(2勝クラス・東京芝2400m)を勝っている。

本馬はここへ来てさらに地力をつけた感があるが、この馬も前走で自己最高指数を記録した後の一戦になる。今回は同型馬手薄でハナ主張も可能だが、先行馬のダノンヒストリーが手強く、捲りも発生しそうな組み合わせ。前走から距離が延び、ペースも速くなった場合を想定すると狙いにくい。


穴はシートゥサミットとアスクエジンバラ

【シートゥサミット】
ゲート不安やテンに置かれるところがあり、1800mでは結果を出せなかったが、距離を2400mに延ばし、捲る形で上昇一途。1勝馬の身ながら前走は神戸新聞杯に挑み、見事に菊花賞の出走権を勝ち取った。

その前走は8番枠から1馬身出遅れ、促しながらも無理はさせずに後方2番手からの追走。遅い流れのなか1~2角で外に誘導し、向正面でしっかり捲ってハナを取り切ると、再度ペースを落とした。

3~4角では最内を通しながら仕掛けを待つ余裕も。4角で軽く仕掛けて先頭列で直線へ。序盤で追われて先頭を維持したが、ラスト1Fで甘くなり、内と外から迫られてハナ+半馬身差で敗れた。

当時はコンクリートレベルの高速馬場で、前後半5F61秒9-58秒4という超絶スローペース。前有利の展開のなか、ペースが上がらない状況下でハナを取り切り、再度ペースを落とすことができたのが好走要因だ。

今回はさすがに前走よりもペースが上がるだろうが、2走前の1勝クラス(阪神芝2400m)の時のように、3角地点である程度前の位置を取り切れればいいのであって、捲り切る必要はない。

折り合いには不安なく、序盤の位置の悪さを挽回できる長距離はもってこいの条件と感じるだけに一考する。

【アスクエジンバラ】
前走はセントライト記念4着。ここでは5番枠からまずまずのスタートを切り、内と外の各馬の出方を窺いながら2列目の外を確保した。

1~2角のペースが上がらない状況下で、ジャスティンシカゴが2列目の内に入れると、押し上げて外2番手まで進出。この辺りから極端にペースが落ち、コントロールに苦労してかなり掛かってしまう。

3角でもまだ仕掛けを待って我慢。4角で外から来られ、一気に仕掛けてペースを引き上げて直線へ。序盤でもうひと伸びしたが、ジャスティンシカゴに並ばれるとラスト1Fで甘くなり、最後は外の各馬にかわされて3着争いもクビ差で敗れた。

当時は標準馬場で、前後半5F62秒5-58秒8という超絶スローペース。前有利の展開で恵まれてはいたが、行かせたり抑えたりとチグハグなところがあった。

向正面でペースが落ちたところでそのまま行かせ切れば、もっと上の着順が狙えたかもしれない。ただ、そこで行かせなかったのは、やはり長距離の菊花賞を意識したからだろう。

本馬は2走前の日本ダービーでも、前半のスローの段階で前に壁が作れずにかなり掛かり、向正面では馬群に入れて伸びきれず、0秒5差の10着に敗れた。ここ2戦は折り合いに苦労しながらも、小差の競馬ができている。

このようなタイプは、ある程度前に行き切り、タフな競馬になると浮上することが多い。折り合いによる消耗を前進するエネルギーに変えるのだ。

距離が延びて良いかはやってみないとわからないところがあるが、本馬のような安定した指数を記録しながらも勝ち切れないタイプは、これまでの条件が合っていなかったということも多い。ここは早めの仕掛けで一発を期待したい。

※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例えばダノンヒストリーの前走指数「-24」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも2.4秒速い
●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート
●能力値= (前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3
●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数
能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補

《ライタープロフィール》
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。

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