【菊花賞】春二冠馬の三冠挑戦、明暗を分けたのは 過去40年の7頭をデータで振り返る
SPAIA競馬
トップ>ニュース>【菊花賞】春二冠馬の三冠挑戦、明暗を分けたのは 過去40年の7頭をデータで振り返る

【菊花賞】春二冠馬の三冠挑戦、明暗を分けたのは 過去40年の7頭をデータで振り返る

2026/10/24 18:00
SPAIA編集部
イメージ画像(生成AIで作成)

イメージ画像(生成AIで作成)

4つの共通項

10月25日に京都競馬場で行われる菊花賞(GⅠ・芝3000m)。今年の主役は、皐月賞と日本ダービーを制したロブチェンだ。前哨戦の神戸新聞杯では単勝1.4倍の支持に応えて勝利し、クラシック最終戦へ駒を進めた。ここを勝てば20年コントレイル以来6年ぶり、史上9頭目の三冠馬となる。

1986年以降、春の二冠馬として菊花賞に出走したのは7頭。このうち94年ナリタブライアン、05年ディープインパクト、11年オルフェーヴル、20年コントレイルの4頭が三冠を達成した。一方、92年ミホノブルボン(2着)、03年ネオユニヴァース(3着)、06年メイショウサムソン(4着)の3頭は届いていない。

三冠馬と、あと一歩で涙を呑んだ二冠馬では何が違ったのか。本稿では7頭のデータから両者の明暗を分けたポイントを振り返り、ロブチェンと照らし合わせてみたい。大一番を楽しむ材料のひとつにしていただければ幸いだ。

▼当日単勝1.4倍以下は全頭が三冠達成(3/3)
7頭のうち、菊花賞当日の単勝オッズが1.4倍以下だったのはディープインパクト(1.0倍)、コントレイル(1.1倍)、オルフェーヴル(1.4倍)の3頭で、いずれも三冠を達成した。ここでの分母は、1.4倍以下で出走した3頭である。

残る三冠馬のナリタブライアンは1.7倍だった。敗れた3頭では、1.5倍のミホノブルボンが2着、2.0倍以上だったネオユニヴァースとメイショウサムソンが3、4着に終わっている。少ないサンプルながら、当日の支持と結果はおおむね連動していると言える。

ロブチェンは、菊花賞の前日昼時点では単勝1.6倍。現状ではデータの水準に届いていない。

▼前哨戦を0秒3差以上で勝利(3/3)
7頭はいずれも、神戸新聞杯か京都新聞杯(当時は秋開催)を経て菊花賞に臨んでいた。前哨戦を勝ったのは4頭で、うち3頭が三冠を達成し、敗れたのはミホノブルボンのみだった。

両者を分けたのは着差だ。三冠を達成した3頭はいずれも前哨戦を0秒3差以上で勝っていたのに対し、ミホノブルボンはこれに届かなかった。

そして、この3頭はいずれも神戸新聞杯の勝ち馬でもある。ロブチェンは同レースを勝った点では共通するものの、着差はハナ差。この点がどう出るか。

▼三冠馬は470kg以下(4/4)
三冠馬4頭の菊花賞当日の馬体重は、ナリタブライアン470kg、ディープインパクト444kg、オルフェーヴル466kg、コントレイル458kg。4頭とも470kg以下に収まっていた。

一方、三冠を逃した3頭は、ミホノブルボン512kg、ネオユニヴァース492kg、メイショウサムソン518kg。いずれも490kgを超えており、三冠馬たちとは20kg以上の開きがある。

ロブチェンは神戸新聞杯で518kg(-4kg)。比較対象の中でも最大級の馬体重である点は、ひとつのポイントとなりそうだ。

▼三冠馬の鞍上は芝2500m以上の重賞勝ちあり(4/4)
三冠を逃したミホノブルボン、ネオユニヴァース、メイショウサムソンの3頭には共通点がある。挑戦時点で、鞍上がJRAの芝2500m以上の重賞を勝っていなかったことだ。一方、三冠を達成した4頭の鞍上は、いずれも勝利経験があった。

ロブチェンに騎乗する松山弘平騎手は、JRAの芝2500m以上の重賞で【0-2-2-34】(複勝率10.5%)と未勝利だ。京都芝3000m以上の平地競走に広げても【0-0-0-16】で、馬券圏内がない。「長距離は騎手で買え」という格言があるだけに、気になるデータではある。

逆境データを地力で覆せるか

4つのデータのうち、当日の人気は最終的なオッズ次第となる。一方で、前哨戦の着差、馬体重、鞍上の長距離重賞実績の3項目は、前述した三冠馬の共通項から外れている。データの面では、決して楽な挑戦ではない。

ただし、いずれも7頭という少ないサンプルから導いた傾向にすぎない。実際、ナリタブライアンは当日1.7倍、前哨戦2着と2項目を満たさないまま三冠を達成している。皐月賞と日本ダービーを制した世代屈指の地力は、データを覆すだけのポテンシャルを示すものでもある。

過去の傾向という壁を越え、ロブチェンが史上9頭目の三冠馬に名を連ねるのか。こうしたデータも頭の片隅に置きながら、歴史的な一戦を楽しんでほしい。

【参考】歴代の三冠馬(年/馬名/騎手)
1941年 セントライト(小西喜蔵)
1964年 シンザン(栗田勝)
1983年 ミスターシービー(吉永正人)
1984年 シンボリルドルフ(岡部幸雄)
1994年 ナリタブライアン(南井克巳)
2005年 ディープインパクト(武豊)
2011年 オルフェーヴル(池添謙一)
2020年 コントレイル(福永祐一)

《関連記事》
・【菊花賞】三冠馬誕生時の2・3着馬に共通パターン発見 浮かび上がったロブチェンの相手候補は4頭
・【菊花賞】血統の鍵はディープインパクト内包馬 優れた長距離適性で大駆け狙う穴馬候補
・【菊花賞】「皐月賞5着以内でダービー10着以下の馬」は複回収率258% データで導く穴馬候補3頭