【天皇賞(秋)】芝2000mベストのクロワデュノールが本命候補 穴馬はレガレイラとネブラディスク
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【天皇賞(秋)】芝2000mベストのクロワデュノールが本命候補 穴馬はレガレイラとネブラディスク

2026/10/31 17:00
山崎エリカ
天皇賞(秋)のPP指数,ⒸSPAIA

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歴代最長「37日間の雨」の影響

天皇賞(秋)の舞台となる東京芝2000mは1角奥のポケット地点からスタートし、2角までの距離が約100m。最初のコーナーまでの距離がとても短いので、多頭数の外枠の馬は2角で外に張られることになる。このため外枠は不利で、本レースの過去10年でも馬番10番から外の馬は【0-1-2-52】という成績だ。

2着1回は2016年のリアルスティールで差し。3着2回は同じ2016年に追い込んだステファノスと、2018年に逃げて3着に粘ったキセキ。先行馬は脚を使いながら外に張られることになるので、特に苦戦が目立つ。

また、本レースで外枠が不振傾向にある要因として「A→Bコース替わり」も考えられる。傷んだ馬場のインコースが保護されることで、開幕序盤のようなコンクリートレベルまで高速化することも外枠不利の傾向に拍車をかけている。

しかし、今年の東京は例年とは少し違った様相だ。8月末から10月にかけての37日間連続雨の影響からか、開幕4日目から外差しが決まり出し、先週の時点でタフな馬場コンディション。コース替わりで高速化しても、標準程度の馬場が想定される。

そのため、最終的には当日の傾向を見て判断したいが、例年ほど外枠不利にはならないと見ている。


能力値1~5位の紹介

2026年天皇賞(秋)のPP指数一覧,ⒸSPAIA


【能力値1位 マスカレードボール】
昨秋は超絶スローで後半勝負となった天皇賞(秋)を勝利。一転して2分20秒3のワールドレコードが出るほど超絶ハイペースとなったジャパンカップでも、あのカランダガンと接戦を演じた実績を持つ。

ジャパンカップでは15番枠から五分のスタートを切り、コントロールして中団やや後方外目から追走。道中も同位置で、シンエンペラーの後ろから進めた。

3~4角でもシンエンペラーの後ろを通し切って直線へ。序盤で外に誘導され、その外から先に仕掛けたカランダガンに食らいつく。

ラスト2Fで伸び始め、カランダガンとともに一気に先頭列に上がると、そのまま2頭のマッチレースに。ラスト1Fでは一瞬前に出たが、最後は外から盛り返されてアタマ差で惜敗した。

当時はコンクリートレベルの高速馬場で、前後半5F57秒6-59秒1の超絶ハイペース。大逃げしたセイウンハーデスが12着に敗れているようにかなり前が不利で、ここは展開に恵まれた好走だった。それでも、3着ダノンデサイルに2馬身半差をつけたことは高く評価できる。

今年は始動戦のクイーンエリザベス2世カップで2着。この時の前後半5Fは推定63秒23-57秒41(※日本の計測法だと前半が約1秒速い)というかなりのスローペース。前有利の展開を最後方から追走して、ラスト1Fでは香港で無双していたロマンチックウォリアーとの差をよく詰めている。

本馬はエンジンの掛かりが遅い面があり、ここでは4角出口から仕掛けるも動き切れず、スピードに乗ったのがラスト1Fあたり。3~4角から動いていれば、ロマンチックウォリアーに土を付けていた可能性もあった。

次走はキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスに挑戦して7着に敗れたが、アスコットは最大高低差が20mもある欧州屈指のタフなコースだけに、日本の芝馬が勝ち負けするのは凱旋門賞よりも難しい。特にマスカレードボールのようなコンクリートレベルの高速馬場がベストのタイプは、大敗するのも必然だろう。

今回は昨年勝った舞台になる。ただし、昨年は超絶スローペースだったことでテンに置かれることなく、タスティエーラをマークしたことで進路取りもスムーズだった。本質的に芝2000mは忙しく、レースがある程度流れると、昨年の皐月賞時のようにテンに置かれてしまう危うさがある。

ベストは芝2400m。ここは叩き台の可能性が高いとみているが、能力面から重い印は外せない。

【能力値2位 クロワデュノール】
GⅠで4勝、2着2回の実績馬。本馬は芝3200mもこなしているが、ベストは芝2000m。この距離ではホープフルステークス勝ちや皐月賞2着の実績があり、今年の大阪杯では自己最高指数を記録している。

その大阪杯は大外15番枠からまずまずのスタートを切り、好位の外を確保したが、ペースが速かったため控えて道中は中団の外で進めた。

3角で外々から好位に上がり、4角でじわっと仕掛け、2列目に並びかけて直線へ。序盤は先頭のメイショウタバルとの差が詰まらなかったが、ラスト1Fで苦しくなった同馬を捉えて半馬身差で勝利した。

当時は高速馬場で、前後半5F58秒1-59秒5のハイペース。やや前に不利な展開だったが、この日は稍重スタートで馬場の内側から乾いており、内有利の馬場だった。

逃げて最内を立ち回ったメイショウタバルに対し、こちらは外を回るロスを作っており、着差以上の強さだったと言える。

本馬は今春に古馬三冠を完走。この秋も古馬三冠を目指すとのこと。これは2007年、当時4歳のメイショウサムソンと同じで、春の3レースに関しては結果だけでなく着差まで全く同じ。

不適条件の宝塚記念を使ったことで、ここに照準を合わせやすい。メイショウサムソン同様、ここは勝ち負けに期待して本命候補とする。

【能力値3位 ダノンデサイル】
昨年から戸崎圭太騎手に乗り替わり、末脚を生かす形で上昇。アメリカジョッキークラブカップで国内の自己最高指数を記録すると、昨春のドバイシーマクラシックでは、後にジャパンカップを制するカランダガンに勝利した。

そのドバイシーマクラシックは3番枠からまずまずのスタートを切ったが、外にヨレて位置取りが悪くなり、中団中目から追走。道中は超スローで掛かり気味。向正面でレベルスロマンスが捲ってもさほどペースは上がらなかったが、ここでも動かず中団最内で脚を溜めた。

3~4角でも中団最内で我慢させ、4角でじわっと仕掛けてひとつ外にいたシンエンペラーの後ろから直線へ。序盤ではさらに外に誘導し、3列目からすっと伸びて一気に先頭に並びかける。

ラスト1Fで抜け出したところ、カランダガンにはやや差を詰められたが、余裕を持って1馬身1/4差で完勝した。

当時は前半5Fの通過がおおよそ65秒という超絶スローペース。カランダガンから徹底マークを受けていたが、ラスト3Fで仕掛けて外に出してからの反応の鋭さ、一瞬のキレが素晴らしかった。

ドバイのレースなので指数算出は難しいが、この時の走りは今回のメンバーが相手でもNo.1と推測される。しかし、昨秋以降のジャパンカップ、有馬記念、大阪杯、宝塚記念と4走連続で3着に敗れており、明確に物足りない。

本馬の低空飛行が続いているのは、高速馬場の芝2000mでは追走に忙しさを見せている一方、芝2400m以上では折り合いがつかなくなっていることが主な原因と見ている。

ただ、2走前の大阪杯、前走の宝塚記念はともに中団の内目を追走していたなか、4角で前の馬が下がった影響で後退する不利があった。直線で外に誘導して進路を確保してからはしっかりと伸びており、上がり3Fは2位と1位を記録している。

今回の芝2000mはベストではないが、直近の2走は不運も重なっただけに、もっと走れてもいいはず。例年の内有利の超高速馬場なら消したいが、今年の傾向を考えると押さえてはおきたい。

【能力値4位 セイウンハーデス】
2023年の七夕賞で初重賞制覇を達成した後、屈腱炎を発症。約1年5カ月に及ぶ長期休養を余儀なくされ、復帰後の2戦は不振だったが、再調整を経て臨んだ7走前のエプソムカップで見事な復活を果たした。

そのエプソムカップは16番枠から好スタートを決めたが、無理をせずに控えて好位の外を追走。道中では少し促していたが、位置が下がって中団外目となり、3角手前で外のダノンエアズロックを行かせて、その後ろから3角に入った。

3~4角でも同馬の後ろを通し、4角出口で外に誘導。序盤で追われてまだ中団だったが、ラスト2Fで一気に突き抜けて2馬身ほど前に出る。

ラスト1Fでは馬場の良い内に切りながら、リードを広げたところで外からドゥラドーレスが追い込んできたが、余裕を持って1馬身3/4差で完勝した。

このレースは1分43秒9のコースレコードで決着しているように、馬場状態は稍重ながら高速馬場で、前後半4F46秒0-46秒6の緩みない流れ。ラスト2Fで前が早々とバテたところを一気に突き抜ける異様に強い内容で、GⅠでも通用する指数を記録した。

その後は折り合いに難しさを見せ、5走前のジャパンカップでは超ハイペースの大逃げで12着大敗。4走前の中山記念でも、酷く掛かりながらスローで逃げて12着に敗退している。

以降は大阪杯5着、安田記念4着、毎日王冠1着と復活を見せているが、エプソムカップ時ほど指数は高くない。当時の指数で走れればここでも通用するが、今回が引退レースで年齢的なものを考えるとどうか。

ただ、始動戦の前走・毎日王冠は前後半4F47秒6-45秒7のかなりのスローで、消耗度の小さいレースだっただけに、余力は残せていると見ている。

【能力値5位 ジョバンニ】
末脚勝負ではパンチ不足だったが、4走前から位置取りの改善で軌道に乗った馬。金鯱賞では2列目の最内を追走してハナ差2着。クイーンエリザベス2世カップでは外2番手を追走して0秒5差の5着だった。

2走前の小倉記念と前走のチャレンジカップは多頭数の外枠。好位の外からの追走となったが、やや内有利の馬場で、終始外々を回るロスを作りながら2着、1着と健闘している。

2走前は格下相手だったが、1番枠を利して中団最内を追走したハンデ52kgのゼンダンハヤブサに対し、本馬はハンデ57.5kgで好位の外々から同馬に半馬身差まで迫っている。

前走のチャレンジカップでは15番枠からまずまずのスタートを切り、促して進めて好位の外から追走。向正面でも折り合って同位置で進めた。

3~4角でも外3番手のレーゼドラマをマークし、じわっと仕掛けて4角で外に誘導して先頭列付近で直線へ。序盤で追われると、堂々と先頭に立って半馬身ほど前に出る。ラスト1Fでは外からじわじわ伸びたカラマティアノスに抵抗し切って、クビ差で勝利した。

当時は高速馬場で、前後半5F59秒4-58秒2のスローペース。やや前有利の展開に恵まれたところはあったが、上述したようにやや内有利の馬場で、終始外を回るロスがあった。

本馬は末脚型の有力馬よりも前の位置で進めて、しぶとさを生かしてこそ。今回は16番枠で、テンから脚を使って前に行くか、軌道に乗る前のように差すかの二択になる。今年は例年のような内有利馬場ではないだけに、前者を選択した場合は面白い。


穴馬候補はレガレイラとネブラディスク

【レガレイラ】
一昨年の有馬記念の勝ち馬。4走前、昨秋のエリザベス女王杯でも勝利を挙げている。

2024年の有馬記念は8番枠から出遅れたが、促しながら進めて中団中目を確保。道中はかなりのスローで、好位の中目まで進出して向正面へ。下り坂でダノンデサイルがペースを引き上げると、好位の中目で同馬についていく形となった。

3~4角で内にいたスターズオンアースが失速して下がったことで、4角で2列目の内を確保。4角出口で前2頭の外に誘導し、外のシャフリヤールと一緒にじわじわ伸びる。

ラスト1Fではシャフリヤールと併せ馬の形でダノンデサイルを捉え、最後はクビの上げ下げをハナ差で制した。

当時は高速馬場で、前後半5F62秒9-57秒9の超絶スローペース。ダノンデサイルが向正面の下りで一気に仕掛けたことで、ラスト5F目からペースが上がっているが、前有利の展開だった。

その点、中団外々の位置から押し上げて本馬と一騎打ちを演じたシャフリヤールのほうがインパクトで上回っていたが、ハナ差で勝利したのはさすが。ここでは最速の上がり3Fタイムも叩き出している。

昨年のエリザベス女王杯は7番枠から五分のスタートを切り、コントロールして包まれないように中団の外を追走。道中でも同位置で脚を溜めた。

3~4角では中団中目で我慢し、4角で仕掛けて出口で外々に誘導。直線序盤で伸び始めて2列目に上がり、ラスト1Fで前のパラディレーヌを一気に捉えて1馬身3/4差で完勝した。

当時は高速馬場で、前後半5F59秒9-59秒0の平均ペース。前後の位置による有利不利はないが、終始外々を回るロスを作りながら、ここでも最速タイの上がり3Fタイムで勝利している。

本馬は末脚一辺倒のイメージが強いが、実は高速馬場で好位が取れた時に好走している。直近2走はタフな馬場で末脚が不発に終わったが、今回はそこまでタフな馬場ではない。3番枠である程度、前の位置が取れそうな組み合わせだけに、通用の余地がある。

【ネブラディスク】
クロワデュノールやマスカレードボールと同世代だが、3歳春は共同通信杯、毎日杯、京都新聞杯と重賞に挑んで善戦はするものの勝ち切れず、クラシックへの出走がかなわなかった。

しかし、3歳秋以降は一度も連対を外すことなく、前走で3勝クラスの博多ステークス(小倉芝1800m)を勝利。オープン入りを果たす。

その前走は3番枠から五分のスタートを切り、様子を窺いながらほぼ馬なりで楽に先行。2列目の内を確保した。

1~2角で外からモアリジットがハナを取り切り、そこで詰まってブレーキを踏んだことで掛かってしまったが、何とか我慢させ、向正面で再び2列目の内に進出していく。

ところが3~4角でもまた詰まり、外からは蓋もされて動けない状態。4角でひとつ外のトーアライデンの後ろを取り、我慢させて直線へ。

序盤で最内に切って追われると、グンと伸びて抜け出し3馬身のリードを奪う。ラスト1Fでも後続にほぼ差を詰めさせず、3馬身差で完勝した。

当時は標準馬場で、前後半4F47秒6-47秒7の平均ペース。前後の位置による大きな有利不利はない。しかし、馬場の内が荒れ始め、外が有利になってきている状況下で、内を通って勝利したことは褒められる。

また、前走はスムーズなレースではなかっただけに、まだまだ伸びしろがありそう。今回は相手が二段階強くなるが、上昇力で通用しても不思議はない。

※パワーポイント指数(PP指数)とは?
●新馬・未勝利の平均勝ちタイムを基準「0」とし、それより価値が高ければマイナスで表示
例)マスカレードボールの3走前の指数「-28」は、新馬・未勝利の平均勝ちタイムよりも2.8秒速い
●指数欄の背景色の緑は芝、茶色はダート
●能力値= (前走指数+前々走指数+近5走の最高指数)÷3
●最高値とはその馬がこれまでに記録した一番高い指数
能力値と最高値ともに1位の馬は鉄板級。能力値上位馬は本命候補、最高値上位馬は穴馬候補

《ライタープロフィール》
山崎エリカ
類い稀な勝負強さで「負けない女」の異名をとる競馬研究家。独自に開発したPP指数を武器にレース分析し、高配当ゲットを狙う! netkeiba.com等で執筆。好きな馬は、強さと脆さが同居している、メジロパーマーのような逃げ馬。

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